あっ!!
その瞬間私の目に映ったのはOの手首にある手錠だった。
あぁ…
手錠をされたOはガラス張りの待合室の前を通り
手錠の無い私を見て笑いながら、聞こえない声で
良かったな
そう言って奥の檻のある部屋へ戻って行った。
Oだけが帰れなかった。
もし主犯がちゃんと私だったらOは帰れたのかな?
それでも帰れなかったのかな?
あの日
母が私を警察に売らなければこんな事にならなかった?
いや
もっと大きな事をしていたかも知れない。
現にそんな計画も出てたから…
こんな事じゃ済まなかったかも知れない。
私の判決を最後にみんなバラバラになり
それぞれの道を歩き始めた。
私は迎えに来てくれた母と弟と夫と一緒に、拘置所を後にして4ヶ月ぶりの家に帰った。