45話 塀の中の年越し


 最近は6月なのに猛暑日になったりと、暑い日が続いておりますが、今回は刑務所の年越しについてお話したいと思います。


受刑者に正月休みなどいらん!などとお思いの方もいらっしゃるかも知れませんが、ちゃんとお休みがあります。


これはおそらく国家公務員である刑務官の休みと連動しているものと思われるが、受刑者も12月28日が仕事納めで、29日から翌年の1月3日までが基本的な正月休みになる。土日が絡むともっと長くなるケースもあるのだが、今回は6連休ということでお話を進める。

12月28日は午前中で作業が終わり、工場で昼食を摂ったあと入浴→居室へ戻る。


28日〜30日までは特にやる事もなく、お菓子も出るわけでもなく通常の免業日と変わらない。


この頃になると寒さが厳しくなっているので、基本的には1日中寝て過ごす。途中、室内運動や点検、食事の時は布団を畳んでなければならないが、それ以外は布団にくるまって寝ていられる。


受刑者の衣類はとても薄いものなので、寒さは一段とキツく感じる。


洗面は歯磨きなども冷たい水で行わなければならず、霜焼けになる者も多数いる。


大晦日には居室から全員で風呂へ入りに行く。


サッパリとした気持ちで新年を迎えられそうだ。


夕食時には年越しそばならぬ、年越しラーメンが出される。



府中刑務所では『そば』は出ない!

そばアレルギーの人や外国人受刑者に対する配慮だろうか?

俺が居た2年半の間に1度もそばは出なかった。

そして夕食と共に特別食のクレープアイスが出される。


上記写真があるが、正にコレそのものが出される。


真冬にクレープアイス‼️


嫌がらせか?


クソ寒いのにアイスを出す神経がわからん!美味いんだけどね😋


普段は20:45までしかテレビの視聴ができないが、大晦日だけは24:00までテレビを見ることができる。


決められたチャンネルしか見ることができないが、ありがたい処遇。


みんなは紅白歌合戦を見ているようだ。


あちこちの居室から歌が聞こえてくる。


もちろん受刑者は歌ったりはできないが…


普段は21:00になると強制的に消灯(正確には厳灯)されるので寝ているせいか、21:00を過ぎると自然に眠くなる。


健康的な生活サイクル!


眠さを堪えてテレビを見る👀


俺は紅白を見ずに、ダウンタウンの『笑ってはいけない…』を見ていた。


刑務所では笑うことが少ないので、お笑い番組を見たかったからだ。


こういう時はやはり独居に限る!


雑居だと他の受刑者との共同生活なのでテレビも見たいものを見られるかわからない。

23:50頃からは『ゆく年くる年』を見ながらひとりカウントダウンタウンをする。


いよいよ年越しの瞬間を迎えたが、誰に挨拶もできない孤独な年越し…


24:10でテレビ視聴が終わり、就寝時間となる。


次話へ続く…

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