是枝裕和監督の、こういうことを描きたいという
何かが伝わってくる作品だなぁと思った。
「誰も知らない」のときも思ったけど、
貧困をとても分かっている感じがする。
でも貧しい家庭で育ったような、
そんな経歴ではなかった気もする。
「ひとつ屋根の下」が清く正しく明るい貧困で、
「万引き家族」は清くない正しくない明るい貧困かなぁ。
悲壮感がすごい。
パルムドールの歴代の受賞作品をさっと眺めると、
こういう悲しい物語が多いように思う。
鑑賞後、心臓にダメージを受けるものが。
柴田家の人々がひと時の団欒を終え、
最後にはバラバラになっていく。
世の中としては正しいところへ進んでいくような。
リンだけは、虐待されているのが分かっていて
親元に戻すのが疑問だけど、
現実でもよくある話しだと思うので、
そういうものなのかもしれない。