しばらく支援ブログ記事を書くことができず、心苦しく感じておりますm(_ _ )m
無実の罪で逮捕・勾留され現在は千葉刑務所で無期懲役刑服役中の守大助さん(2001年1月逮捕当時29歳)の再審開始に向け、弁護団と検察側が審議会に臨んでいます。
【北陵クリニック事件とは】
2001年1月、仙台の「北陵クリニック」の准看護師だった守大助さん(29)は、A子さん(11)の急変に関し殺人未遂容疑で逮捕・起訴され、その後1人殺人、3人の殺人未遂容疑と、計5件で逮捕・起訴が繰り返されました。
本件は、当初守さんが犯行を認めたということで、准看護師の立場を利用し、仕事の不満を解消するために、約20人の患者の点滴に筋弛緩剤を混入し、約10人を殺害したとされ、前代未聞の凶悪犯罪として、当時のメディアを騒がせました。しかし守さんは逮捕から3日後に否認に転じ、その後は一貫して無実の主張を貫いています。
2004年3月に一審(仙台地裁)で無期懲役の判決がだされ、二審(仙台高裁)では弁護側の証人、証拠、鑑定請求が却下され、被告人質問も認められないまま結審し、2006年3月に控訴棄却の判決となりました。
弁護団は即日上告しましたが、2008年2月に上告棄却となり、無期懲役刑が確定してしまいました。
その後、2012年2月に再審請求申立書を仙台地裁へ提出し、今に至っています。
(仙台北陵クリニック・筋弛緩剤冤罪事件全国連絡会HPより)
http://mori-daisuke.seesaa.net/
速やかな再審開始決定を求める署名を募っており、また再審を控え適切な証人尋問と証拠開示を要請するハガキ(いずれも仙台地裁河村俊哉裁判長宛て)を送ることにご協力をお願いしております。
●署名用紙のダウンロードはこちらから
*署名用紙をダウンロードして印刷してお使いください。送付は署名用紙下部の送付先へお願いします。
●要請ハガキのダウンロードはこちらまたはこちら(ハガキ表・ハガキ裏)から
*ハガキのデータをダウンロードして印刷してお使いください。官製はがき用、白ハガキ(ハガキ大白紙)用など数種類あります。
再審をするにあたっては、すでに下された判決を覆す可能性のある新しい証拠や証言が必要になります。
今回焦点を当てたいのは主に次の2点です。
1.筋弛緩剤による殺人未遂の被害者とされたA子さん(当時11歳)の急変原因が、急性脳症、とくにミトコンドリア病MELASと診断できること。
2.検察自ら有罪の根拠とされた試料(被害者から採取した尿や血液)の鑑定結果や全量消費を現在進行中の再審請求審で否定しもはや証拠が曖昧なため、検察が拒み続けている未だ開示されていない証拠がすべて開示されること。
1.については、以前からブログでもご紹介しているとおり、池田正行前長崎大教授が自らのHP上でミトコンドリア病MELASの症状であり筋弛緩剤による急変ではありえないと主張されています。また、再審請求に伴い同じ趣旨の意見書も出されています。
「司法事故を考える」(池田前長崎大教授HP)
池田前長崎大教授による意見書
また、ミトコンドリア病は平成21年(2009年)に厚生労働省から難病の中でも医療費助成の対象となる特定疾患治療研究事業の対象疾患に認定されており、その認定基準に照らすとA子さんの症状と検査所見は「確実例」に該当します。
事件当時はミトコンドリア病は認知度がまだ低く、正しく診断されないこともままあったと考えられますが、認知度も診断の確度も上がった今日では、このような公の認定基準も審判にあたって十分考慮されるべきだと思います。
守大助さんの支援団体のひとつである「無実の守大助さんを支援する首都圏の会」がミトコンドリア病MELASの病態を詳しく解説した資料を提供していますので、厚生労働省の認定基準と併せて下記からぜひご参照ください。
仙台北陵クリニック 筋弛緩剤冤罪事件資料(病態論)
ミトコンドリア病認定基準(難病センター)
表1 代表的なミトコンドリア病
そのため、弁護団は池田正行前長崎大教授と、確定審まで有罪確定の根拠とされていた検察側主張の試料鑑定結果「m/z258イオンの存在=ベクロニウム(筋弛緩剤の成分)の存在」に対抗し「ベクロニウムからm/z258イオンは検出されない」という鑑定結果を出した志田保夫前東京薬科大教授の証人尋問を要請しています。
2.については、すでに10年以上も前の有罪が確定した裁判まで、検察は大阪府警科捜研で「鑑定した」とする被害者の血液や尿などの試料から「ベクロニウムの未変化体(体内代謝などにより化学変化していない物質)を検出した」という鑑定結果を証拠と主張おり、具体的には「m/z258イオンを検出したから」ということでした。
判決文では「m/z258のプリカーサイオンが,本件各鑑定資料中に存在したべクロニウムの脱アセチル化した変化体に由来するものでないことは明らかである」と微妙な言い回しになっています。
さて、「プリカーサイオン」とか「脱アセチル化」とか科学的な話になってくると、私を含め科学(化学)にあまり明るくない人々には「難しくてわからない~(汗)」となりそうですが、「無実の守大助さんを支援する首都圏の会」がこのあたりを詳しくわかりやすく解説した資料を用意してくれましたので、ぜひそちらをご参照ください。
仙台北陵クリニック 筋弛緩剤冤罪事件資料(鑑定論)
要点を申し上げますと、大阪府警科捜研で鑑定を担当した土橋鑑定人は、この鑑定以前に行っていた自身による「法中毒」という講演の中で、質量分析すると「ベクロニウムではm/z258のみが出現するマススペクトルであった」としています。
*マススペクトルとは、質量分析結果を表す棒グラフで、縦軸に表れた数値(258等)で物質を特定できます。
土橋鑑定人はこの自身の講演内容を根拠として「m/z258が検出されたのだからベクロニウムが存在したのだ」と主張したのですが、実はこの質量分析結果を提唱しているのは土橋鑑定人のみで、国内外の文献や実験結果ではベクロニウムの質量分析の結果検出されるのはm/z279(z=2)またはm/z557(z=1)となっています。
*zとは、電荷を表します。mはイオンの質量です。
では、なんらかの形でベクロニウムからm/z258が検出される可能性があるかというと、加水分解(純水で溶解<25℃>)すると約20分でアセチル基が1個離脱(脱アセチル化)し、そこからm/z258が検出されるのです。
ここで前出の判決文で「べクロニウムの脱アセチル化した変化体に由来するものでないことは明らかである」と言っていることと結びついてくるわけです。
つまり、鑑定段階でベクロニウムを加水分解など行われておらずあくまでベクロニウムを質量分析した結果だと言っているわけで、検察の上告答弁書でもそう明言されています。
そして、同じ試料を分析させてほしいとの弁護側の要請に対しては、「残しておいてもしょうがないから、いつも分析終わったら放ります」(土橋鑑定人証言)と、全量消費してしまってもう分析用の試料が残ってないことを明言しました。
ところが!
逮捕・起訴から10年、有罪判決確定から約4年が経ち、2012年2月に弁護団が再審請求申立をした後の再審請求審議会の中で検察は、意見書(2012年12月20日)中でm/z258が検出された理由として「分析前に加水分解が起こった」ことを含め複数の理由を提示してきました。
それだけでなく、あれほど「全量消費していて再鑑定は不可能」としていた鑑定試料についても、「鑑定終了時点で、鑑定資料の抽出操作で得られた『試料残渣』を、いずれ廃棄することを前提に冷凍保存して」おり、2001年5月15日以前に「『試料残渣』について分析条件を変更して質量分析を行ったところ、分子量関連イオンであるm/z279が検出された」とも述べてきたのです。
これまで検察が有罪の根拠としてきた「m/z258の検出=ベクロニウム(筋弛緩剤)の存在」という理論も崩れ、「鑑定試料の全量消費」もウソであったことが判明したわけで、今度こそ公正な裁判が行われるために、弁護団が証拠開示を求めているすべての証拠が開示されることを要請しています。
速やかに再審が開始され、語られるべき証言が語られ、開示されるべき証拠が開示され、公正な裁判のもと、無実の守大助さんが晴れて自由の身となって社会へ、ご両親の元へ帰ることができますように、どうぞ署名とハガキ下記にご協力をお願いいたします!
●署名用紙のダウンロードはこちらから
*署名用紙をダウンロードして印刷してお使いください。送付は署名用紙下部の送付先へお願いします。
●要請ハガキのダウンロードはこちらまたはこちら(ハガキ表・ハガキ裏)から
*ハガキのデータをダウンロードして印刷してお使いください。官製はがき用、白ハガキ(ハガキ大白紙)用など数種類あります。
また、これから寒さに向かう刑務所で独り闘っている無実の守大助さんに、励ましのお便りをどうぞお願いいたします
〒264-8585
千葉県千葉市若葉区貝塚町192
千葉刑務所内
守 大助 様
どうかご支援よろしくお願いいたしますm(u_u)m
「仙台・北陵クリニック事件」えん罪被害者の守大助さんを救ってください!
2001年1月6日に警察へ任意同行されてから、帰ってきません。
「筋弛緩剤を点滴などに混入し、患者を殺したり急変させたりした」との容疑をかけられたのです。
裁判は最高裁まで争いましたが有罪とされ、現在無実の罪で服役しています。
筋弛緩剤では説明できない死亡や急変です。えん罪なのです。
無実の守大助さんを救うため、ご協力をお願いします。
「無実の守大助さんを支援する首都圏の会」
2012年2月10日に再審請求申立書提出しました!
再審開始できますように、どうかご支援をよろしくお願いいたします!
「筋弛緩剤を点滴などに混入し、患者を殺したり急変させたりした」との容疑をかけられたのです。
裁判は最高裁まで争いましたが有罪とされ、現在無実の罪で服役しています。
筋弛緩剤では説明できない死亡や急変です。えん罪なのです。
無実の守大助さんを救うため、ご協力をお願いします。
★速やかな再審開始を求める署名を募っています★
署名用紙のPDFファイルはこちらからダウンロードできます(クリックしてください)
*ダウンロードしたPDFファイルを印刷して署名用紙としてお使いください
*お手数ですが署名は宮城県の国民救援会に直接お送り願います。(詳しい送り先住所は署名用紙をご参照ください)
どうぞご協力よろしくお願いいたします<(_ _)>
「西武池袋線痴漢冤罪事件」えん罪被害者の小林卓之さんを救ってください!
小林さん、2012年1月26日に仮釈放されました!
皆さまのご支援のおかげです!ありがとうございます!
再審無罪を勝ち取る闘いは続きます。引き続き、どうかご支援をよろしくお願いいたします!
2005年3月18日に西武池袋線の電車に乗車していた小林卓之さんは、車内で突然私人逮捕されました。
膠原病強皮症で指先を動かすのも激痛が走る小林さんには到底無理な痴漢の容疑をかけられたのです。
裁判でも小林さんの言い分は聞き入れられることはなく、有罪とされ一年10ヶ月の刑を宣告され、病身の身でありながら静岡県の通常の刑務所で服役しています。
重症の強皮症の小林さんには専門医による定期的な診察と治療が欠かせません。
小林さんが適切な治療を受けられるよう、刑の一時執行停止と再審を実現するために、ご協力をお願いします。
「小林卓之さんの命を守るネットユーザーの会」
*「東北関東大震災の緊急支援」のためのワンクリック募金ができます!
膠原病強皮症で指先を動かすのも激痛が走る小林さんには到底無理な痴漢の容疑をかけられたのです。
裁判でも小林さんの言い分は聞き入れられることはなく、有罪とされ一年10ヶ月の刑を宣告され、病身の身でありながら静岡県の通常の刑務所で服役しています。
重症の強皮症の小林さんには専門医による定期的な診察と治療が欠かせません。
小林さんが適切な治療を受けられるよう、刑の一時執行停止と再審を実現するために、ご協力をお願いします。
「小林卓之さんの命を守るネットユーザーの会」