「ドラッグシュートのつづき」

 前回、ドラッグシュートに関して書きましたがコレを使用した場合、滑走路から誘導路へ進入したら機体から切り離してしまいます。いつまでも引きずっていると風の影響を受けて機体が引きずられることもありえますから、安全のためでもあるのです。

 そして切り離されたドラッグシュートは列線整備員が拾いに行きます。訓練している機体はほぼすべて着陸時にドラッグシュートを使用するので、整備員は飛んでる機体の数だけドラッグシュートを回収しているわけです。

 訓練は晴れの日ばかりではなく、雨天でも行われます。雨に濡れたドラッグシュートは非常に重くなるらしいので回収するのもひと苦労です。さらに雨で汚れたドラッグシュートは集めてきたらきれいにして、煙突状の乾燥室でぶら下げながら乾かす作業なんてのも整備員の通常業務に含まれます。乾いたらようやく前回説明したバッグへの収納という作業に移れるのです。

 

「ランチャーの構造」

 主翼下にハードポイントという場所があります。ミサイルや燃料タンクをぶら下げる場所のことで、このハードポイントにランチャーという装置を取り付けてミサイルやら燃料タンクをぶら下げるんですね。

 写真はBRU47という増槽などを固定する装置で、ランチャーとセットで翼下に取り付けられています。誘導弾等をその上面にあるO型の金具にカギ型のフックを引っ掛けるように固定して、発射時にはカギ型のフックを回転させて外し、さらにBRU47のピストンを使って押し出すという動きをします。これは上空で風の影響などで誘導弾が機体から離れなくなるというトラブルを避けるためだそうです。固定具を外して自重で落ちていくとは限らないんですね。

 現在の主力対艦ミサイル、ASM2を搭載するのはこのBRU47。ASM2は発射直後は慣性誘導、誘導後期は赤外線ホーミング。前方に装備したカメラ(シーカー)による目標物の識別により撃墜する能力がある。

 このBRU47には4ヶ所足が生えていて、誘導弾が左右に振動することを防いでいるのです。

 

「フレア」

 発火筒。誘導弾や赤外線追尾ミサイルから自らを守るための装備。映画「トップガン」で派手に打ち上げていた花火みたいなヤツです。これを打ち出すことで誘導弾を機体ではなくフレアに向かわせる〝目くらまし〟です。

 F2の場合、垂直尾翼の付け根と水平尾翼の付け根前方に計4ヶ所装備されていて、1ヶ所につき16発(くらい?)のカセットごと交換しているとのことです。

 

「救命装備品」

 パイロットが着込んでいるハーネスは機体に乗り込むと両肩の金具でシートに固定されます。シートには緊急脱出時に発火するロケットの他に、パラシュートや洋上で生存するための1人用の救命ボート、サバイバルキットや海水を飲料水に変えるための薬品など大量な救命装備品と連結されているんですね。