独占禁止法の適用においては「市場」がどこにあるのかを判断するのが重要になります。
一般的に、市場を広く考えれば独占禁止法違反とはなりにくくなります。逆に、市場を狭く考えれば独占禁止法違反となりやすくなります。
たとえば、牛乳を販売している会社同士が共同して値上げした場合、カルテルを行ったとして独占禁止法での規制の対象となります。このとき、「牛乳の販売市場」でカルテルが行われていることが前提となっています。
しかし、もし消費者が値上げされた牛乳の代わりに安いジュースを買いに走っていたらどうでしょうか。消費者が「飲み物なら何でも良い」と考えているのであれば市場は「飲み物の販売市場」と考えるべきことになり、「牛乳の販売市場」を想定したことが間違いだったことになります。
「市場の画定」なんて表現されたりもしますが、独占禁止法を適用する場合にはこの作業が必要になるケースが多いので大変です。
結局、「消費者や企業のニーズがどこにあるか」というのを分析しなければ市場がどこにあるかなんてわかりません。あらゆる会社が必死で分析していることを、独占禁止法の適用のためだけに判断しなければならない公正取引委員会は難儀な仕事をしているなあと思います。