東山御物の美」(三井記念美術館)を観てきました。





唐物が崇拝された室町文化において、その頂点に君臨したのが義満らによって収集された将軍家のコレクション「東山御物」でした。
それらは当時の中国的な感性を代表したのみならず、当時の日本人が受容し、変容させることで日本的なものの基礎ともなりました。その後の日本人にとって「東山御物」に見える美意識は絵画・工芸を鑑賞する一つの規範となり、桃山・江戸時代、さらには現代に至るまで「古典」として理解されてきたのです。その意味で、「東山御物」 はまさに中世以降の美の規範といえるでしょう。
本展覧会では、現在「東山御物」と伝称される多くの作品群から、絵画・工芸各々のジャンルで当時から極めて高い評価を受けてきたもの、足利将軍家が確実に所有していたものを中心に抽出して構成。
















今回の展覧会には、私の好きな南宋時代の絵画や工芸品が多く、とても感激しました。
文化芸術の爛熟期を迎えた南宋時代の、青磁は色、形とともに芸術性が高く、今回の出品作品も秀作ばかりで目を奪われました。
そのような南宋の風流な芸術作品に触れ憧れて、日本の東山文化が形成されていったという過程を垣間見られた有意義な展覧会でした。