タイトル:『ハン・ゴンジュ(HAN GONG JU)』
監督:イ・スジン
主演:チョン・ウヒ
<あらすじ>
17歳。 誰よりも平凡な少女ハン・ゴンジュ。
音楽が好きだけど、もう歌うことはできない。
友達がいたけど、地元を離れるしかなかった。
もう笑うことなどないと思ったけれど、
転校先の学校で出会った新しい友達と歌によって、
彼女は笑顔と希望を取り戻す。
そんなある日、
転校前の学校の生徒の保護者たちがコンジュを探し出し、学校に乗り込んでくる。
ハン・ゴンジュ、彼女にいったい何が起きたのか?
(NAVERの映画情報より)
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今、話題になっている韓国のインディー系映画です。
海外の映画祭で賞をとったり、
昨年の釜山映画祭で市民評論家賞を受賞した作品。
実際の事件をモチーフにした作品だそうです。
ある事件の被害者になってしまった少女が、
少しずつ日常を取り戻し、再生していく姿を描いています。
少女に気負った様子はなく、その淡々とした姿が印象的。
一見すると淡々としてみえるけれど、
彼女は必死に戦っていて、必死にもがいているのに、
むしろ、そんな彼女を大人たちが、無神経な発言、行動で更に傷つける。
見ていて、非常に辛いですが、
目をそらしちゃいけないことなんでしょうね。
被害者が保護されず、逃げ回らなければならないような社会でいいのか?!
子供をダメにしてるには、大人たち!!!
というようなメッセージを感じました。
主人公を演じているチョン・ウヒが良かったです。
彼女が注目されたのは、おそらく『サニー』の悪役(ボンドを吸ってイカレてる役)だと思いますが、
今作では「演技力」を存分に発揮していました。
演じているのに「普通に見える」って、実はすごーく難しいんですよね。
それをさらっとこなしてます。
年末の新人賞、私は彼女にあげたいです。
あと、彼女の下宿のおばちゃん(前の学校の先生の母親)役のイ・ヨンランさんも
ちょっと気になりました。
*注意 以下ネタバレ、含んでます
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物語の中盤まで、実際にどんな事件があったのかは出てこないんです。
「もしかして…」 と連想させるような描写はありますが…。
もうお気づきかと思いますが、
コンジュは性犯罪(青少年の犯罪)の被害者です。
同じような素材を扱った映画はたくさんありますが、
コンジュの再生と大人たちの愚かさに焦点が当っていたので、
意味のある映画だったと思います。
大人が自分勝手でアホすぎ!
映画のどこにも、クレジットされてはいませんが、
加害者の数や被害者の親がとった行動などが似ていたので、
モチーフとなった事件は↓これのようです。
(監督さんもインタビューで答えていました)
蜜陽女子中学生集団性暴行事件 (ウィキペディアに飛びます)
あまりにも、実際の事件が衝撃的すぎて、
言葉が出てこない…。
たとえば、映画化されることで、
被害者の女性はまた傷つくんじゃないか…とか、
いろいろと考えてしまう映画でした。
被害者の女性の再生を願わずにはいられません。
『ハン・ゴンジュ』予告↓
http://movie.naver.com/movie/bi/mi/mediaView.nhn?code=99724&mid=23368#tab
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