『ねえ、久々に二人で飲まない?』
いつものガヤガヤとした居酒屋とは違い
落ち着いた印象のお店。
相葉くんがうちに来てからは3人で飲むことが多かったり、
そのうち松本は他の課にうつってしまったりでなかなか2人で飲むことはなくなっていた。
慣れないお店の雰囲気。
それに、2人きりだという状況。
懐かしいと思う気持ちと、
また別の感情に心が支配された。
『いつもよりペース遅くね?』
「....醜態晒すわけにいかないから」
なんてのはウソで。
これ以上酔ったら、何かがブレてしまうような気がしたから。
私は、同僚以上の関係は求めていない。
それなのに今は、期待してしまいそうだから。
『俺、寝顔見たけど』
「....忘れて。それは事故」
『ふーん』
「....な、に」
『まあ、どうせお前も俺のがっつり見てたんだろうから
あおいこ。』
だからもう、なんでこいつは。
同僚だから、と気を許されていることは分かってる。
相手がいるかどうかなんて気にする資格も私にはない。
でも。
こんな顔を向けられて。
真剣に話すと、きちんとまっすぐと返してくれて。
なんだかんだで気にかけてくれる。
そんな男に、
私は惚れてしまった。
