「前よりも上手くなったな。」
「でしょ!あっ!」
順調にリフティングしていたぎむがよそ見をしたせいでバランスが崩れる。
「ほら、よそ見するから。」
「も、もう一回お手本して!」
「いいよ。」
ぎむは負けず嫌いだな。
どうしても昔の僕に勝ちたいか・・・。
まぁ一生懸命なことは悪い事じゃないからいいんだけどさ。
「よっ・・・と、こんな感じで」
「・・・よしっ、ボール貸して!」
「はい。気をつけてね。」
「うん!よっ!あ!待ってー!」
だから言わんこっちゃないw
「ぎむー走ったら危ないぞー」
「平気ー早く追いかけないと道路に出ちゃう!」
あぁあんな遠くまでサッカーボールが転が・・・
「っ!!ぎむ!止まれ!」
信号が変わった!気付いてないのかアイツ!
「っち!聞こえてねぇのかよっ!」
間に合うか?いや、間に合わないと!
「待ってぇ~!!よしっ!」
「ぎむ!」
トラックがぎむのいる場所へ進んで行く。
ブレーキをかける音が耳を苛める。
間に合え!間に合え!!
「え・・・」
目の前の大きなトラックに動揺して動けなくなったぎむを抱きしめる。
守らなきゃ!守らなきゃ!!