雨の中 3 | 黒鷹騎士団

黒鷹騎士団

基本は俺の妄想からなる。
後悔だけはしまくりだと思う

HAPPY ENDは好まない

「いただきます!」
「いただきます。」

ぎむが僕の作ったメロンパンを口には運ぶ。

「どう?おいしい?」
「おいしい」
「よかった~」

ぎむの口から発した4文字にほっと安堵する。
ぎむが2口、3口とメロンパンの大きさが小さくなっていくのをみて
嬉しくなる。
その行動を見ているとお世辞で言っているわけではないということもわかる。
ずっとぎむの方を見ていたせいで、顔を上げたぎむと目があった。

「ねぇねぇ」
「ん?なに?」

食事中にぎむの方から話しかけるのは珍しい。

「雨の日はどうしてメロンパンを焼くの?」
「・・・・・・・・・え?」

僕はいつも気まぐれで色んなパンをランダムで焼いてると思っていた。
言われてみれば雨の日は決まってメロンパンを焼いていた気がする。

「どうして?」

ぎむの質問の答えに困った。僕自身無意識の行動だったからだ。
なんでだ?どうして雨の日はメロンパンなんだ?

「えっと・・・・・・・・・うーん・・・。」

理由なんてあるのか?いや、ないはずだ。

でもなんで僕の心は今こんなにもモヤモヤとして気持ち悪い?
無意識に決まってメロンパンを作るってよほどの理由が
あるんじゃないか・・・?

「・・・・・・ねぇおにぃちゃん。ココアおいしい?」
「え?あぁ今飲むよ!・・・・・・うん、美味しい。
ぎむはココア作るのが上手いな。」

「えへへっ///」

ぎむに話題を変えられたのでこのときは
あまり深追いはしなかった。

理由が思いつかなかったら理由なんてないのだ。
そんな有名人の名言のような一言で片づけてしまった。

「ぎむ。ご飯を食べ終わったら、一緒に遊びに行こうか。」
「! いく!」
「帰りに買い物もしよう。何処に行きたい?」
「何処に連れていってくれるの?ぎむはどこに行ったら喜ぶと思う?」

そう来たか・・・(汗)

「公園に行こうか。」
「いいよ。いこ!サンドイッチ作って行こう。」
「わかった。じゃあ出来上がり次第出発するから用意しておいで。」
「うん!」

ぎむは食器を片づけていそいそと部屋に入って行った。
その行動を可愛く思いクスッと笑いがもれる。

サンドイッチだったな。ぎむは確かツナマヨときゅうりが好きだ。
他にもちょっと変わった具に挑戦してみよう。