雨の中 | 黒鷹騎士団

黒鷹騎士団

基本は俺の妄想からなる。
後悔だけはしまくりだと思う

HAPPY ENDは好まない

雨の中、女の子が裸足で逃げる。それを僕は追いかける。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・・・あっ!」

泥だらけの水たまりに足を取られて転ぶ彼女。
それでもまだ僕から逃げたいのか、這うようにして僕から離れる。

「どうして逃げるの?ぎむ」
「はぁ・・・はぁ・・・」

彼女の名前はぎむ。僕の妹だ。
ぎむは振り返ってコーヒーゼリーのような色をした大きな瞳を見開いて僕を見つめる
僕はぎむから少し距離を置いてしゃがみ込む。

「怖がらないで。大丈夫だから。お願い、避けないで。」
「あ・・・あぁ・・・・・・あぁぁ・・・・・・。」

ぎむはプルプル震えながら後ずさっていたけど
やがて力尽きたのか気を失ってしまった。
僕は泥だらけのぎむを抱きあげる。泥で綺麗な顔も白い肌も台無しだ。

「ぎむ・・・君はまた・・・僕のことを忘れちゃったんだね。」