風俗嬢とお金。 | 風俗嬢あいりの日常

風俗嬢とお金。

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「いくら稼いでんの?」



こんな質問をぶしつけに、いきなりしてくるお客さんがたまにいる。



「じゃあ。あなたこそ。いくら稼いでるんですか?」


といってしまいたいのを抑えて。



ヒキツリ笑顔で。



「ご想像にお任せします」(-_-メ)



もちろん。



こちらの方が大人なので。



初対面でこんな質問をしてくるオトコは、モテないオトコが多い...と思う。


私はこの業界に入るまで、風俗嬢はみんな、ブランド物に身を包んで、街のど真ん中、家賃二桁の高層マンションに住んでて...



のようなイメージを抱いていた。



けれど。



実際に私が見てきた子は。



ブランド物のバッグは持ってはいたが、質素で、素朴で、普通の子ばかり。



風俗嬢は、お金の価値を誰よりも解っているのだ。




オフィスに座って、パソコンと向き合って、一日、7時間なり8時間なり、仕事をこなせばお給料がもらえる会社員と違い、風俗嬢は完全歩合。



お客さんにつけなければ、給料が貰えない。指名を取れたら、その分、給料は上がる。



シビアな世界。



ただし、今の私の店のように、給料保証というのがあって、全くお客さんに付けなくても、わずかだがお給料が貰える店もある。



私が出会った女の子で印象に残っている子がいる。



前のお店に居た時だった。



前の店は、俗にいう、ピンサロと呼ばれていた部類。



カーテンで仕切ってあるだけの部屋で、オシボリでお客さんの身体を拭いて、局部を簡単に消毒してから、サービスに入るようなイメージ。



個室ヘルスに移った今では、何て不衛生な環境だったんだろうって思うけれど。
(-_-#)



個室ヘルスと違って、待機室なるものがあり、お店の女の子達は、そこで、お客さんを待つ。本や雑誌を読んだり、ゲームしたり、雑談したり。



私はそこで、年長組だったので、新人さんにお仕事を教える事もしばしばあった。



ある日、風俗未経験のありさちゃん 21歳(仮名)に一通りの仕事の流れを説明することになった。



一通りの説明が終わってから、ありささんが初めてのお客さんに付くまでの間、待機室で、雑談していたときの事。



ありささんはどうして、この業界に入ろうと思ったのか、と聞いてみた。



洋服が大好きで、服飾関係の専門学校を卒業した。



それで。



念願だった洋服屋で、アルバイトだけど、働ける事になった。



だけど。



給料安いし、専門学校の奨学金も返さないといけなくて。数ヶ月もしたら、生活費足りなくなってしまった。



数日前に電気とガスが止まっちゃった。



明かりのない部屋で過ごすうちに。



私は。



夢を諦めなきゃいけないなら、生きて行けないなぁって思って。



死のうって。



本気で考えた。



バイトの帰りに、たまたま通り掛かった本屋で、風俗求人雑誌見つけて。



風俗って物凄く抵抗あって、自分には絶対できないって躊躇したけれど、一回死んだと思って飛び込んでみるのもいいかと思った。



奨学金を返せたら、多分バイトだけでやってけると思うから。



生活を立て直したら、辞めるつもり。



それで。



洋服に携わる仕事に戻りたい。



ありささんは、いつもにこにこ、笑っていた。明るくてみんなに好かれてた。



彼女が出勤してくると、待機室でいつも女の子に囲まれてた。



節約の為に、いつも家からお弁当を作って持ってきてた。たまに、多めに作ってきて、他の女の子に振る舞ってた。



一年後位経ったある日、ありささんはお店を卒業した。



にっかり笑って。



お世話になりました。
ありがとうございましたって。



あれから数年経つけれど。



今でも時々思い出す。



そして、この空のどこかで。



ありささんが好きな洋服に囲まれて、幸せに暮らしている事を願っている。