カヨ様へ | 銭になりたい

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きりちゃん受けの小説やら絵やらを置いてます。
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×きり丸RANK!
↑入りました。みてください( ^ω^ )

※注意※
アニメ感想のセリフは、何と無くでつけているだけなので、間に受けないでください。

カヨkkk様よりリクエスト!
6ろ×きり シリアス

シリアスは苦手です…え?やることなすこと全部苦手分野だろって?
…うん?
うん…ふふふw




雨は嫌いだ。

大嫌いだ。

いつも俺を孤独にさせる

いつも俺を独りにさせる

いつも俺をふりまわす

雨は嫌いだ。

あの日を思い出す。
だから嫌いだ。
大嫌いだ…。


『雨の日』

いつも通りその日もアルバイトのために、早く起きた。
まだ暗いうちに、着替えを済まして外に出ると雨が降っていた。

「やっぱ…雨か」

いつも通りのその日。
いつも決まって雨が降る。
嫌いな雨…。
どんよりとした曇り空…厚い雲のせいで、太陽の光は無い。
しとしとと降る雨は、まるで…。

「きり丸!」

俺の心に浮かび始めた雲を払うように聞こえた声は、まるで太陽のように明るい。
声のする方を振り返るとそこには、いつも俺のアルバイトを手伝ってくれる先輩達がいた。

「七松先輩、中在家先輩、潮江先輩」
「おはよう、きり丸!」
「…おはよう」
「よう!相変わらず早い朝だな」
「おはようございます、先輩方」
「今からアルバイトか?」
「えぇ、まぁ…先輩方も早いですね?」
「いや逆だ、今さっき帰ってきたんだ」
「夜間実習ですか?」
「…あぁ」

先輩達の話を聞き、先輩達の服に土が付いていることに気づく。
今まで実習をしていたとは思えない元気さは、流石としか言いようがない。

「今日は雨降ってるから、あんま無茶すんなよ?」
「文次郎じゃあるまいし…」
「てめぇに言われたかねぇよ!」
「…うるさい」
「相変わらず元気っすね」
「まぁな!」
「小平太はそれだけが取り柄だからな?」
「いやぁ…照れるなぁ//」
「褒めてねぇよ‼︎嫌味だ!」
「…もそ」
「…長次?それはどういう意味だ?」

先輩達の会話を聞きながら、俺は笑みをこぼした。
元気な先輩を見て大分心が晴れたように思えるが、横目に見た暗い空を見ると…また重い気持ちになってしまう。
落ちてくる雨は、まるで涙のようだ…そんなことを考えていると先輩達が顔を覗き込んできた。

「どうした?きり丸」
「へ?」
「なんだ、具合悪いのか?」
「あ…だ、大丈夫っすよ?」
「…本当か?」

中在家先輩にまっすぐと見つめられ、言葉に詰まる。
大丈夫だと言い切りたいが、実のところは違う…。
雨のせいで、心が沈んでいるのだ。
しかし、まさか本当のことが言える訳も無いので笑顔を作り言い切る。

「大丈夫っすよ!」
「…そうか」
「きり丸!」
「はい?」
「私もアルバイト手伝うぞ‼︎」
「え…」

七松先輩にそう言われ、普通なら喜ぶところを素直に喜べない…。
なんせ、あの七松先輩だ。
また無茶なことをするに違いない…そう考えると、むしろ迷惑なのだ。
しかし、そんなことを目上の…しかも最高学年の先輩に言えるわけもなく、失礼のないように丁重に断ろうとしたところに…。

「七松先輩…ご迷惑を掛ける訳にはなりませんのd…」
「よし!俺も手伝ってやるよ‼︎」
「え…」
「…私も手伝う」
「中在家先輩まで⁉︎」

潮江先輩と中在家先輩まで手伝うと言い出したのだ…。
一人ずつでも面倒な先輩を三人まとめてなど…考えなくても分かる。
迷惑極まりない‼︎

「先輩、そんな気を使わなくても大丈夫っすよ‼︎今日のアルバイトは簡単なんで!」
「遠慮するなきり丸!」
「そうだそうだ!たまには甘えろ!な?」
「…気にしなくていい」
(違うよ!遠慮なんてしてないってば‼︎)

いくら心の中で反論しても、先輩達が気づくわけもなく先輩達に担がれて連れて行かれた…。


「先輩、僕が頼むこと以外の行動は謹んでください‼︎」
「大丈夫だって、心配すんな!」
「…本当に分かってるんですか?」
「…大丈夫だ」
「特に七松先輩‼︎」
「ん?なんだ?」
「なんだじゃありません‼︎店先で逆立ちしないでください‼︎」

結局…無理やり俺についてきた先輩達にしつこく注意をし、アルバイトを手伝えるように店主に無理を言って存分に手伝ってもらうことにした。
その日のアルバイトは、町で人気の出だしたうどん屋の客引きだった。
先輩達には店の中でうどんを運んでもらっている。

「冷えた体に温かいうどんはいかがっすか~?値段はなんと、たったの20銭‼︎安くて美味しいうどんだよ‼︎」

必死に呼び込みをし人を呼び止めるが、いくら人気の出だした店と言えども雨の中だ…足を止める人はいない。

「やな雨…」

分厚い雲のかかった雨空を見上げ、早く今日が終わるように願う。
いつも同じその日は雨で終わる…日が出てきた試しがないから、雨が上がるようになどとは頼まない。
ただ…一日が早く終わるように願うしかないのだ。


数年前のその日の空は曇っていた…。
まだ家族がいた時のこと…その日、俺は両親と喧嘩をした。
…喧嘩と言っても、俺が一方的に怒っていただけだ。

「父ちゃんと母ちゃんのばかぁ‼︎」
「きり丸…わがままはやめなさい、母さんも困ってるだろ?」
「知らない!ばかばかばか、ばかぁ‼︎」
「きり丸、そんなに怒らないで?」

怒っていた原因は、とてもくだらないことだ…。
いつも遊んでいる子の一人が、両親に買ってもらった新しい着物を自慢していたのだ。

ほとんどの子どもの着物は、父親や母親の着物を仕立て直したものだった。
父親や母親の着物を初めてもらった時は、皆ずいぶんと喜ぶがそのうちに飽きてしまう。
成長するにつれて両親からもらった着物も小さくなり、そのうち新しい着物を買ってもらえるようになる。
子どもにとっては、新しい着物をもらうということは特別なことのように思える。
まるで両親に認めてもらったかのように思えるのだ。
友だちなどが新しい着物を自慢しだすと、周りの子どもも新しい着物を欲しがる。
至極当然のことだ…。

もちろん俺だって両親に頼んだ。
しかし…断られたのだ。
周りの子ども達は買ってもらっているのに…何故だめなのか。
特別お金がないということもない。
父親は毎日のように働いているし、母親も無駄遣いを一切しない人だったと思う。
だからこそ…何故父と母が買ってくれないのかと、怒っていたのだ。

「父ちゃんも母ちゃんも大っ嫌いだぁ‼︎」
『きり丸‼︎』

どれだけ話をしても相手にしてもらえないことに痺れを切らした俺は、ついに家を出て行ってしまった。

°
°
°

家を出てから向かった先は、父の仕事が休みの日に家族で遊びに行く村を一望できる丘だった。
見晴らしのいい丘に生えた一本の桐…。
その桐の下でいつもおにぎりを食べていた。
母の握ってくれるおにぎりは、ふわふわと柔らかく温かかった。
桐の下でうずくまり、様々なことを思い出す。

「父ちゃんと母ちゃんのばか…。」

両親のことを思い、自分のしたことを反省する。
すると…ぽつぽつと涙が落ちてきた。
自分のしたことは何と酷いことか…。
わがままを言っただけでなく、両親に喚き散らして怒って…酷いことを言い、謝らずに家を出て行くなど。
そんな仕打ちを受けた両親のことを思うと、罪悪感から胸が締め付けられ息がしにくくなってくる。

「…ふっ…ひっく……うぅ」

悲しさが増していき、しゃくりあげながら泣いていく…。
声を押し殺しながら泣いていると、だんだんと両親が恋しくなってきて我慢が出来ずに俺は走って家を目指した…。

しかし、そこで俺を待っていたものはいつもの村ではなかった…。

そこは一面火の海になっていたのだ。
紅い火を見つめながら、俺は呆然と立ち尽くしていた。
何が起こったのかなど…分からなかった。
ただ、異臭の立ち込む村の入り口に立って燃えて行く村を見つめることしか、幼い俺には出来なかった。

いつの間にか涙は止まっていて…
代わりに雨が降っていた。

そんな中、俺はただただ立ち尽くしていた…。



しばらくして、雨によって火の治まった村の前…俺はやっと動き出した。
一面黒くなってしまった村の中は、黒く煤けた塊が転がっていた。
異臭の立ち込む村の中を歩いているのに、吐き気はしなかったように思う。
いや、吐き気など感じる余裕はなかった…。

村は戦に巻き込まれたのだ。

しばらく歩いていた俺は、恐らく…自分の家だったであろう場所に立ち止まった。
他と同じ様に…黒く煤けた塊が二つ転がっていた。
炭になってしまった木材の中に、キラリと光る何かを見つけ俺は家に入った。
木材をかき分けてみれば、中から壺がでてきた。
壺には見たこともないような大金が入っていた。
大量の小銭から出ていた白い紙を引っ張り出して、中を見てみると見慣れた優しい字が書いてあった。

°
°
°

きり丸

あなたがこれをみているとき

おとうさんとおかあさんは、
もういないかもしれません

でも、
なかないでください

あなたはこれから、
じぶんでいきていかなければ
ならないのです

これがはいっていた
つぼのなかのおかねは、
あなたへのおかねです

そのおかねで、
おおきくなるまで
いきのびてください

おおきくなったら
りっぱに、
はたらいてください

あなたがひとりで
りっぱにいきていけることを、
ねがっています。

きり丸
あなたはひとりではありません、
おとうさんとおかあさんがそばにいます

だから、
なかないでください。


おとうさんとおかあさんが、
おどろくほどげんきに
せいちょうしてください


おとうさん・おかあさん

°
°
°

紙の文を読み終わる頃には、紙はびしょ濡れだった。
幼い自分に分かるようにと、ひらがなで書かれた文は…少し難しい内容だった。
何故父と母がいないのか…何故一人で生きねばならないのか…何故父と母はこのことが分かっていたのか…。
分からないことだらけで、何を考えたらいいのか分からなかった…。

「と…ちゃ……か…ち……」

途切れ途切れの声で両親を呼んだ…。
震えて出てこない声を、必死に絞り出して必死に呼んだ。

「と…父ちゃん!母ちゃん‼︎」

返事は返ってこない…。
それでも呼んだ。

「父ちゃん!母ちゃん!」

振り返る人はいない…声をかける人はいない…誰もいない村。
もしかしたら…両親がいるかもしれない。
きっと悪い冗談だ…。
まるで自分に言い聞かせるように、心の中で呟いた。

「父ちゃぁあああん‼︎
    母ちゃぁあああん‼︎」

声はしない、物音がしない、それでも…それでも呼び続けた。
認めたくなかった、村が戦に巻き込まれたことを…村が焼かれたことを…転がっている二体の塊が、両親であることを…。
誰かが返事をしてくれると…雨の中で、叫び続けた。

その時の雨は…とても冷たかった。


「…る…きり……きり丸‼︎」
「…っうわ⁉︎」

考え事をしていて呼ばれていることに気がつかなかった自分を呼びかけている七松先輩の顔がいきなり至近距離に現れて、心臓が飛び上がった。

「もう休憩だぞ?」
「あ、はい!」
「どうかしたのか?」
「え?」
「ぼーっとしていただろ?」
「あ…」

七松先輩に指摘され、さっきまで思い出していた昔のことを考える。
嫌な雨のせいか…嫌なことばかり考えてしまう。

「なんでもないですよ…ちょっと疲れただけです」
「そうか…中でうどん食べよう!」
「はい!」

誤魔化したことを、きっと七松先輩は気づいただろう…。
細かいことを気にしない性格をもっていても、やはり六年生だ…小さな変化にもすぐ気づく。

きっと…先輩達は皆気づいている。



賄いで出されたうどんを食べながら先輩達と話をしていた。

「今日は雨のせいで、あんまりお客さん来ませんね」
「そうだなぁ」
「客がこないからつまらん‼︎」
「…静かでいい」
「確かに…静かで良いですね」
「客が多いほうが鍛錬ができるから、絶対客が多いほうがいい!」
「小平太は暴れんな、迷惑だろ?」
「…文次郎もな」
「なんだと⁉︎」

くすくすと笑いながら先輩達の話を聞く。

「でも、お客さんが来ないとバイト代も少なくなるんで…正直多いほうがいいですね」
「だよな!」
「やっぱ、雨は嫌ですね…」
「そうか?」
「そうっすよ!雨のせいで外で物売りはできないし…店ではお客さん来ませんし…それに……雨は、嫌いです」

俯いて小さな声をポツリとこぼす。
それ以上続く言葉はない。
言葉は見つからない。

雨は人を孤独にする。

雨は人を置いていく。

雨は……。


「雨は…いつも僕をひとりにするんです」
「……きり丸」
「私は雨、好きだぞ!」
「小平太!空気読め」
「だって!雨はいいじゃないか‼︎」
「……。」

黙り込んだ俺に構わず七松先輩は話を続けた。

「雨はいいぞ?雨の日は誰かが迎えに来てくれるんだ!」
「僕には迎えに来る人なんていません…」
「じゃあ、私が迎えに行く!」
「……。」

俺の否定にも嫌な顔をしない。
むしろ、優しく笑いかけてくれた…それでも俺は雨が嫌いだ。

「それだけじゃない!雨が上がったらいいものが見れるんだ‼︎」
「僕はお金以外いりません」
「お金なんかよりも、ずっといいぞ?」
「お金以上のものなんてこの世にはありません!」
「む…あるぞ!」
「どんなものもお金が無かったら手に入らないんです‼︎」
「お金があっても買えないものがあるだろ‼︎」
「何が買えないっていうんですか‼︎命ですか⁉︎命だってお金が無ければ助けられないんですよ‼︎」
「お金だけあってもしょうがないだろ‼︎」
「金さえあれば僕の父と母も生きてるんです‼︎金が無いから戦に巻き込まれたんだ!金さえあれば、守ってもらえたのに‼︎…っ…お金が…無かったから……」

七松先輩と言い争っているうちに、視界がぼやけてきた…。
泣いているんだ…情けない。
それでも止まらない、成長するにつれて知ってしまった…学園で授業を受けているうちに知ってしまった…。
父と母のこと…村のこと…戦のこと…。

「戦に巻き込まれないようにお金を払っていたら……父と母も…村だって……」
「き…きり丸」
「あほ小平太…」
「…きり丸」

涙を拭っていたら、言い争いはなくなっていて…中在家先輩に抱きしめられていた。

「お金があっても…父と母が帰ってこないのは知ってるんです……でも…でも…」
「…きり丸、もういい」
「き、きり丸、ごめんな?その…言い過ぎてしまって…」
「ちょっとは学習しろよ…」
「うぅ…」

ボロボロと零れてくる涙が…雨に見える。

雨…俺の大嫌いな雨…。
いつも俺の心をぐちゃぐちゃにかき混ぜる
いつも俺を孤独にさせる
いつも俺が独りだと思わせる
いつも俺をふりまわす
いつも…俺の心に降り続ける

雨は嫌いだ

大嫌いだ

「雨なんか…なくて良いのに」
「きり丸…」
「…」

「きり丸が嫌いなら…私が好きにさせる!」
「小平太…!」
「私はこのまま嫌いなままだったら、いつまでも変わらないと思うんだ‼︎」
「…っ!」
「だからって…」
「辛いなら、私達が支えれば良い‼︎」
「…小平太」
「きり丸は一人なんかじゃない‼︎」
「七松…先輩」
「きり丸には私達がいる!土井先生だって…乱太郎達だって…皆いる‼︎
きり丸は一人なんかじゃないんだ‼︎」

七松先輩の言葉に、俺の心はゆれる…。
ひとりじゃない…。

それは俺が求めてきたものだ…一度なくして…ずっと探してきた。

仲間…友達…家族…。

無くして…求めて…探して…探して…探して…。
俺は手に入れていたのか…?

「きり丸が雨が嫌いなら…私が好きにさせる!」
「…私も」
「なら…俺も」

目の前にいるのは…誰だ?
七松先輩…中在家先輩…潮江先輩…彼らは、俺にとって何だ?
同じ学園の人?先輩?ただの他人か?

違う…彼らは…。

「せん…ぱ…」

心を許せる…親しい兄だ。
支えてくれる…兄のような存在だ。

「きり丸!雨が嫌いなら、好きになろう?」
「…雨の良いところを教えてやる」
「なんなら、雨が気持ち良くなるぐらい運動するか?」



雨は嫌いだ。

大嫌いだ。

いつも俺を孤独にさせる

いつも俺を独りにさせる

いつも俺をふりまわす

雨は嫌いだ。



でも…雨の日は楽しい。



「きり丸~!」

「げ…七松先輩…しかも潮江先輩と中在家先輩まで…!」

「きり丸!雨だからアルバイトに行こう!」
「いやですよ!」
「…遠慮するな」
「いや、してないっすから‼︎」
「いいから行くぞ!」
「うわぁ~ん、内職が~!」



迷惑な先輩が…一緒に居てくれるから





くっそ長くなってしまった(^ω^;)
しかも読みずらい!
どんだけ「…」を使ってんだよ!
しかも無理矢理終わらせた!
後きりちゃんのご両親からの手紙読みずらい‼︎
あ~もう!
もう、文才能力ほしすぎる‼︎

まぁ、なにが言いたいってね…どんな暗い状態でもこの三人なら明るくしてくれる…七松先輩が一番前に来て、きりちゃんをふりまわして暗い思いなんて無くしてくれる…って事を伝えたかったの( ^ω^ )
でも、無理でしたw

カヨ様…こんな駄文ですが、どうぞもらってくださいm(_ _)m

…数年後読み返したら死にたくなるな( ^ω^ )