

このネタは僕の好きな芸人『東京03』のコントにもあるのですが
僕にとっては『友情』とも『愛情』とも違うベクトルのような気がしますね
ただのクラスメイトを『友達』と呼ぶのもおこがましいし
親しい異性なのだから、何らかの『好意』はあると思います

僕には中学からの仲の良い『あっちゃん』という女友達がいた

部活も違く、席も離れていたけど、いつの間にか仲が良くなっていた

多分、最初に話したのは、給食の時間だったと思う

育ち盛りの僕は、普通の量では、全然胃が満たされないため

自分の分を食べ終わるとクラスメイトから
パンや牛乳を貰ったりして飢えをしのぐという生活を送っており

『女子はあまり食べない』という安易な考えから、
女子をターゲットにしており
本日の獲物は『前田敦子』かぁと考えながら
あっという間に給食を平らげて
あっちゃんの席に向かい、机の上を見ると、何もない…

『…残念でした…』
小悪魔チックな笑いをしながら僕を見るあっちゃん

『げっ、早いって…じゃ一緒に他の奴から貰っちゃう?』
と、うろたえながらも聞く僕…
『そうしちゃおっかな…』
と更に不敵な笑みを浮かべながら答えるあっちゃん…
その日以降、僕とあっちゃんはクラスメイトだけでなく学年の奴らにも
『ハイエナ』というあだ名がつけられて…
そんなひょんな事から僕はあっちゃんと友達になり
休み時間に音楽や映画の話をしたり
席替えがあっても、目が悪い僕等は隣同士で一番前の席を選んだり
傍から見れば『付き合ってるんじゃね』と言われるのですが
僕もあっちゃんも口をそろえて
『違うって‼付き合ってないって』
と冷やかされながらも否定するのですが…
そんな感じで楽しく中学時代を過ごし

高校も同じ学校に進学することになった二人
でも、卒業式まで冷やかさせ続けるのですが
悪い気はせず
そんな高校にあがる前のある日
自宅に電話があり、近くのコンビニに呼び出される僕
なんだ、告白されるのか?と思いながら
ドリカムの『Ring!Ring!Ring!』を口ずさみながら
あっちゃんの待つコンビニにチャリを急いで漕いで向かう僕
コンビニのベンチに座っていたあっちゃんに声をかける僕
ついに来るか…と思っていたら…
『実は私、高校に進学と同時に芸能活動をしようと思ってるんだ…』
という突然の告白をするあっちゃん
全然思っていた事と違う話をされ
鳩が豆鉄砲を食らったような顔をする僕

高校に進学してから
あっちゃんはドラマの撮影とかで学校を休むようになり
僕は僕で一年からレギュラーとなったので、部活中心の生活になり
それぞれの生活で忙しくなり…
それでも時間が合えばコンビニとかで立ち話をしたり

ファミレスでメシを食べたりする二人

高校生活でのあっちゃんとの思い出は特に作ることもできず
高校を卒業したら本格的に仕事に専念する事にしたあっちゃん
一方の僕は、成績が悪いのに進学することにし…
新しい生活が始まると僕にも有華ちゃんという彼女ができ
あっちゃんとは殆ど会う機会がなくなり
それでも、僕は今の生活に満足し…
そんなある日、バイトが終わってアパートに戻ってみると
ドアの前に人影が見えて…
僕は有華ちゃんか?と思って急いで階段を駆け上ってみると
立っていたのは有華ちゃんではなく、あっちゃん…
『おう、あっちゃん…よく俺のアパート分かったね…』
と話しながら、ドアのカギを開ける僕…
無言のままの、あっちゃん…
『立ち話もなんだから、ウチに入る?』
と聞くと頷きながら僕の後に続いて入るあっちゃん
『…お邪魔します…』
と言いながら僕と自分の靴を揃えるあっちゃん
僕は、お湯を沸かすのも時間がかかると思い
冷蔵庫の入っていたペットボトルのウーロン茶を
コップに注ぎながらその一つをあっちゃんに渡す僕
何となく元気のないあっちゃん…
どんな切り出し方をしていいか分からない僕
あっちゃんはうつむいたまま…
沈黙に耐えられなくなった僕はテレビをつけ
『何かあったの?』
と聞く僕…
『ちょっと色々あってね…』
と元気なく答えるあっちゃん
それ以上の会話は続かず
手持無沙汰な僕はやっぱりお湯を沸かそうと思い
やかんに水を入れガス台にかけ…
あっちゃんの方をみると相変わらず、うつむいたまま
こんな時にかぎってつけたテレビはニュース番組で…
まだ話のネタが思いつかない僕…
お湯が沸いたので、カップにティーバックを入れお湯お注ぎ
あっちゃんの目の前にカップを置き…
『…ありがとう…』
と言うあっちゃん…
いくらか、リラックスしたように見え
ホッとする僕…
突然、アパートのドアが開き
『いらっしゃ~い』と桂三枝をまねて
明るい声で入ってきた有華ちゃん…
玄関の靴を見て、中にあっちゃんがいるのを見て
『え、何、どういうこと?』
声のトーンが変わってくる有華ちゃん…
『違うって、中学からの同級だって…』
と普通に答える僕
『そんな言い訳どうでもいいから‼なんで、そんな簡単に部屋に入れて…』
声が震えながら言う有華ちゃん…
『アンタって、最低や…』
とぼそっと一言つぶやいて部屋を出て行く有華ちゃん…
『アタシのせいで変な誤解させてゴメン…追いかけて、早く…』
と僕に言うあっちゃん…
僕は有華ちゃんを追いかけようとしたのですが
心の奥に隠していた思いが、ふと顔を出し…
『ゴメン、あっちゃん…俺、あっちゃんと友達のままで終わらせるなんて出来ないや…あっちゃんの事が好きなんだ…』
と、このタイミングで告白する僕…
あっちゃんは少し困った顔をして…
あえて中途半端な終わり方をしました

普段の僕なら、こういう話なら友達には告白しませんが
妄想なので、あえて友達に告白してみました…
告白した場合は多分、失恋してしまうのですが…
なんかバッドエンディングは書きたくなかったので…
でも、有華ちゃんを傷つけ、あっちゃんに振られってなるのも
キツイですよね…
結論
男女間の友情は成り立つと言いたいところですが
心の奥底には、複雑な想いがあるのかもしれませんね
