育成の再点検 | 青の誇り~プラチナ世代の軌跡~

育成の再点検


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U-16から各年代の代表を経験している細貝萌(浦和)。

ACL準々決勝(1st leg)より。


今週号の週間サッカーダイジェストは、「こんなに違う日本と世界の育成」というとても興味深い特集をしていて、即買いしてしまった。全敗した北京五輪を総括して、JFAが「個の力が足りなかった」との見解を示したことで、今にわかに育成についての議論が活発になっている。


先週のエルゴラッソでは加部究氏の「育成の再点検」というテーマで書かれたコラムに目が留まった。


「個の力不足が最大の敗因なら、それは育成の失敗だ。育成面で何らかの再点検を講じなければ、世界との差は縮まらないということになる。」との問題提起のあとに触れられたU-16代表についての記述。


「ところが下の世代まで見渡すと、明らかな豊作年がある。例えば現在のU-16世代、Jリーグ前夜の1992年生まれは、際立って個性豊かな素材が揃っている。」「先月行われた豊田国際ユースでは、ブラジルのU-16代表を流麗なボール回しで圧倒するシーンもあり、引き分け(1-1)以上の内容を見せたことでも、彼らの潜在能力の高さがうかがえる。」「豊田国際に出場したU-16代表に限れば、最終ラインからFWまで誰もが組み立てに加わり、なんだか82年スペイン大会でのブラジルやフランスを彷彿とさせる楽しいチームになっている。」「こうしたいわゆる“うまい”選手ばかりを集めたチーム作りには賛否両論分かれる可能性もあるだろうが、・・・もちろん闘うメンタリティ、ボール奪取の狙いや意欲、さらには走り切る才能も、後づけは難しいのかもしれない。だが“うまい”とか“しかけられる”という武器を持つ選手たちが、フィジカルや精神力を伸ばす可能性は、逆のパターンより遥かに大きいはずだ。」


「高さ」や「速さ」、「強さ」よりも「うまさ」を最大の基準に選考された今回のU-16代表は、個性豊かな素材が集まったプラチナ世代(この言葉を使うのはまだ早いが)というだけではなく、日本の進むべき道を示す使命を背負った重い世代でもある。さらに言うなら、金崎夢生、香川真司、柿谷曜一朗、河野広貴、斉藤学らテクニシャンが揃った一つ上の世代と合流して挑むロンドン五輪は、日本の育成が正しい方向に向かっているか否か、その進捗状況を確認できる中間点となるだろう。理想は、体格的に遜色のないスペインやメキシコのサッカー。そこに日本らしさを付加したサッカーを確立すること。


反町監督は18歳~22歳くらいまでの経験不足の解消を五輪後の課題として挙げた。


ロンドン五輪世代を育成の最終段階でどのように仕上げていくのか?この五輪でもし日本がこけたら、日本サッカーはゴールの見えない迷路に迷い込むのかもしれない。