ホームシックの壁
「スペインではひとり号泣した。レアル・バジャドリーへ移籍して、3ヶ月が経った頃だった。言葉が通じないストレスがあった。ホームシックにもかかった。もうサッカーは続けられないと思った。深夜の自宅で‘発狂した’と、のちに城は話している。」完全移籍のオプションも付いていたリーガ・エスパニョーラへの挑戦は、半年間のレンタルだけで終わってしまった。
--- Number 671 城彰二「プライドを捨てた時」より
「ホームシックだった。帰って来られて嬉しい」と笑顔で語った平山相太のコメントは、決して他人事ではないことを今さらながら実感した。平山のコメントを聞いた時、‘彼はまだ若いな’と一言で片付けたが、24歳(当時)の城彰二でさえホームシックにかかっていた事実。おそらく海外へ移籍した選手には必ず立ちはだかる試練なのだろう。その試練を超える力となるのは言葉の習得、オープンな性格、そして覚悟だと思う。
「プリマベーラの遠征は、まるで修学旅行のようだ。ローマへバーリへ、そしてレッチェへ、バスで片道7、8時間かかるのはざら、うんざりするような長旅だ。だが、周りの連中は上手いことやっている。眠りたいときに眠って、突然狂ったように騒ぎ出すのだ。眠って騒いで、また眠っての繰り返し。その呼吸が、ようやく飲み込めてきた。眠りたいときに熟睡できるようになり、仲間が騒ぎ出したら自分もすくっと起き上がって騒ぎまくっている。シチリア訛りの汚い言葉も、ポンポン口につくようになった。」「こっちでやっていくって腹を決めたら、こっちの人間にならないとダメっすから。」イタリアでの成功をめざす覚悟を決めたいま、日本のことはあまり気にならなくなった。
--- Number 671 「森本貴幸は野生児になる」より
カターニャへ移籍して半年が経過した森本貴幸は、どうやらホームシックの壁を乗り越えることができたようだ。性格もオープンそうで丸刈りのビジュアルもありチームメイトにも可愛がられている印象。イタリアで成功を目指す覚悟も出来ており、これからセリエAでブレイクする予感を漂わせている。カターニャでのレギュラーポジション奪取が当面の目標になるのだろうが、U-20W杯、五輪予選を控える代表の救世主にもなりうる存在だけに、今年の森本には要注目だ。