こんにちは。
骨系統疾患について、自分なりにまとめたことを綴ってみます。
「骨のスペシャリスト」西村玄先生(都立小児病院)たちが中心となって運営されている、日本で唯一と言っていい、骨系統疾患に関するネットワークです。
骨系統疾患の所見を告げられたとき、産科の先生にこう言われました。
「精神衛生上、ググらないほうがいい。
でもきっと、ググりたくなるだろう。
そんなときは、骨系統疾患コンソーシウムを見なさい」
骨系統疾患は、ざっくり言うと骨の病気ですが、その分類グループは42個もあり、そこから更に細かく400以上もの疾患に分かれています。
原因遺伝子が特定されている疾患は、2015年8月時点で、386疾患。
まだまだ謎の多い病気なのです。
余談ですが、西村先生がどれだけすごい方なのかというと、骨系統疾患が疑われた子どもたちのレントゲン写真は、必ず西村先生の所へ送られると言っても過言ではないほどです。
我が娘せんちゃんのレントゲン写真も、西村先生に診ていただいてます。
そんな西村先生の所見では、せんちゃんは、Ⅱ型コラーゲングループに属すると言われています。
以下、病院からもらった説明内容です。
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【Ⅱ型コラーゲンの変化による骨系統疾患について】
多くの骨(頭蓋の前頭骨・頭頂骨、上顎骨、下顎骨、鎖骨をのぞくほとんどの骨)は、最初は軟骨(正確には軟骨原基)によって作られます。Ⅱ型コラーゲンは軟骨の大切な原料となるタンパク質です。
このタンパク質の設計図(COL2A1という名前の遺伝子のDNA配列)は、12番染色体というファイルに入っており、軟骨細胞の「核」という書類キャビネットにしまわれています。通常は、必要に応じて設計図をもとにⅡ型コラーゲンを細胞の中で作り、その後コラーゲンは細胞の外へ分泌されます。外に分泌されたコラーゲンは軟骨の材料になります。
しかし、この設計図に変化があると、コラーゲンの性質が変化し、細胞の外へ出ることが難しくなります。それにより、軟骨の状態が通常とは異なり、骨の発育にも影響します。Ⅱ型コラーゲンの変化により骨の形が変化する体質は複数あります。症状が似ていることから、まとめて、「Ⅱ型コラーゲンの変化による骨系統疾患」と分類します。
Ⅱ型コラーゲンは軟骨の材料であるほかに、目の部品である硝子体や、耳の部品である内耳の材料でもあります。そのため、目や耳の症状を伴うことがあります。
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くっそわかりやすい!!!!
先生ありがとう!!!!
でも、複雑なのはここから先なんです。
このⅡ型コラーゲングループに属していても、疾患により症状は様々。
身長や体格など、骨の伸びに強く症状が現れるもの(例:先天性脊椎骨端異形成症)もあれば、目や耳のコラーゲンに強く症状が現れるもの(例:スティックラー症候群)もあり。
この2つ以外に、もっともっとたくさん細かい疾患が属しています。
せんちゃんは、先天性脊椎骨端異形成症の疑いですが、これに当てはまらない所があり、現在確定診断が出ていません。
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そして、肝心の治療法ですが、有効な治療法は現在ありません。
骨系統疾患の中には、成長ホルモン治療が効くものもあるけど、Ⅱ型コラーゲンには意味がないそうです。
骨系統疾患自体は、すごくすごく前から知られている病気なのです。
かの徳川綱吉もすごく小柄だったため、骨系統疾患だったという説があるそうです。
でも、そんな昔からある病気が、なぜ多くの症例において治療法がわからぬままなのかというと、患者の骨を取り出して研究することができないからだそうです。
・・・確かに。
しかし近年、研究が急速に進みはじめました。
そう、iPS細胞という、スーパースターの出現によるものです。
iPS細胞では、患者さんから採取した細胞を使って、Ⅱ型コラーゲンが変化した軟骨細胞を、研究室で作り出すことができるのです。
培養して、いくつでも。
それを使い、いろいろな薬を試すことができる。
骨系統疾患に限らず、ものすごく画期的な方法です。
京都大学のiPS細胞研究室では、骨系統疾患の治療法に対する研究が進められています。
ダイレクトリプログラミング技術およびiPS細胞技術を用いたⅡ型コラーゲン異常症の疾患モデル系を確立
スタチンが軟骨無形成症の病態を回復 ~疾患特異的iPS細胞モデルによるドラッグ・リポジショニングの可能性~
まだまだ、私達の元へ薬が届くまでは長い道のりだけど、とても大きな一歩ではないでしょうか。
山中教授がノーベル賞を受賞されたときは、「へぇ~~~すごい細胞なんだなぁ」とだけ思っていた私。
まさかこんな形で、iPS細胞のすごさを実感するとは。
以上、骨系統疾患について自分なりに調べてみたこと、一旦締めます。
病院でもらった説明と、現在までの経験を元にしていますが、間違っている箇所は大目に見てくださいまし。
また、随時更新していきたいと思います。