㈱ヤマノ様のインスタグラムより引用させて頂きます。
インスタID→@yamano.inc

ダニの感染経路

一口にダニといっても日本国内だけで2000種類いると言われています。ダニの種類にもよりますがペットに寄生するダニは主に草木が覆い茂る森や山など自然豊かな場所や、公園や河川敷など草木が覆い茂る場所であれば生息しています。

散歩などで外出した際や、不特定多数のペットと接する場所、外で飼っているペットや野良の犬猫に寄生しているダニが乗り移って寄生する場合もあります。また、ノミと同じで外に出かけていた人間の衣服に付いたダニが室内に持ち込まれペットに寄生する事がありますので「うちの子は室内犬だからとか・最近散歩に行ってないからありえない」ということは「ありえない」のです。

<ダニが寄生するとどうなるのか>

(※マダニの場合)は寄生する宿主の皮膚を切って血を吸います。特徴的な口をしており、抜けないように釣り針の「返し」のような構造と、噛みついた周りをセメント物質でガッチリ固めて吸血します。ダニに嚙まれたら安易に除去してはいけない理由には、釣り針のような口を皮膚に刺しているので、無理に引きちぎると口の部分が体内に残ってしまい、それが原因で皮膚病の悪化につながることがあるからです。

ダニの寄生によって引き起こされる主な症状は皮膚の炎症や強いかゆみ、ダニの死骸、糞などがアレルギーの原因となるケースや、体内に持つ【ウイルスや細菌を媒介】してしまう可能性があります。その中にはペットだけでなく人にも感染する「人獣共通の感染症」も含まれる為より一層の注意が必要です。

<マダニによって媒介される感染症>

・重症熱血小板減少症候群
主にSFTSウイルスを保有するダニに噛まれて感染する。発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)を主張とし、ときに、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などを伴う。根本的なワクチンや治療薬は見つかっておらず、重症化すると死に至る場合もあり非常に危険な感染症です(致死率10~30%)

※参考値:新型コロナウイルスの死亡率(世界平均)は2.1%

<ノミ・ダニの予防薬の効果について>

今回ご相談頂いたトリミングサロン様に来ていた飼い主さんは、【ノミダニの予防接種を受けてるから大丈夫なはず】と主張されており、ここを一番勘違いされていたのでご紹介したいと思います。

いわゆる動物病院で処方されるノミ・ダニの予防薬は駆除成分をペットの体内全身に巡らせることで、皮膚に寄生「刺したり嚙みついた寄生虫」に対しては駆除効果を発揮します。

言い換えると、ただ付着しているだけの「寄生していない寄生虫」に対しての駆除効果は期待できません。またノミ・ダニに対しての【忌避効果】も基本的にはありません。※忌避効果とは虫が嫌がる臭いなどを出して近寄せさせない「虫よけ効果」とも言います。

この「忌避効果」が無いという事は予防薬を接種していても寄生虫は【ペットに付着します】それでも寄生虫が宿主を“噛んでくれれば”駆除効果を発揮しますが、ただ“付着している”だけの寄生虫に対して予防薬は「駆除効果を発揮しない」というのを知っておいて下さい。

「予防接種を受けているから大丈夫」という過信は「ご自身のペット」にのみ有効なだけであって、寄生せずに付着していただけのノミ・ダニが存在した場合、それは「恐ろしい脅威」という訳です。

<施術を中止して途中でもお返しする理由>

トリミングサロンで生きている状態で発見されたノミ・ダニはトリマーさんからすると「寄生(駆除成分を吸収)した寄生虫なのか、そうで無いのかを見た目では判断できません」

これを無視して施術を続ければ、予防接種を受けている「飼い主さんのペット」は守られます。

しかし、これが寄生する前のノミ・ダニだった場合、施術していたトリマーさんや道具、別のペットに乗り移ったり、その先の飼い主さんやご家族への健康被害や、最悪の場合"死”をもたらす寄生虫を他所に拡散してしまうリスクが十分にあるという事です。

そうなったら責任は誰がとるのでしょうか

つまり対象のペットがノミ・ダニの予防接種をしていても
「ノミ・ダニは付着する」そして「ペットにノミ・ダニが付いている時点でトリミングサロンとしては基本的に受け入れアウト」なのです。

「飼い主さんのペットは大丈夫」でも【他のペット、他の飼い主さん、お店のトリマーさんに被害が及ぶのを防ぐ為】、施術の途中でも直ちに中止してお返ししなければならないのです。

長くなりましたので今回はここまで!