Diva7


<梅一輪 一輪ほどの暖かさ>

そんな歌が浮かんでくる2月 春がもうすぐそこに来ています。


シニア犬や病気のペットと暮らすご家庭は、その季節季節を一緒に過ごしながら一喜一憂するものです。

人も動物も体が弱っているときは気候の変動が体調を大きく左右します。
気持ちの良い春だって気圧は不安定ですし、鬱陶しい梅雨をやり過ごし、厳しい夏を乗り越え、日和見な秋が通り過ぎたら冬は存外安定した季節となります。

4年前にオルフェが亡くなってから我が家の最長齢犬となっていましたディーバと暮らす我が家も、ここ二年余り気象変動に注意を払う毎日を送ってきました。


我が家のディーバはご存知の方も多いと思います。
2011年8月、長野県内のアフガンハウンドブリーダー兼ペットショップにて、多党飼育崩壊と倒産により栄養失調でガリガリにやせ細り、人間への不信や恐怖に心を閉ざしたアフガンハウンドのレスキューがありました。
その中で、まだ二か月足らずの子犬を産み育てていたのがディーバです。

栄養失調状態での授乳により、極度の脱水と、悪臭を放つ酷い歯槽膿漏、歯は黒い石になっているものさえありました。


当初は攻撃性こそなかったものの人間を警戒し、常に少し距離を置いて状況を観察し対応する子でした。
それから半年1年と時間をかけて、家庭というもの、人間のやさしさや愛情に心を預けてくれるようになり、気が付けば素敵なアフガンハウンドのレディーに大変身を遂げましたあじさい


Diva1



そして、我が家に来て4年6か月が過ぎ
2016年 2月11日 21時13分
私たちの愛するディーちゃんが天に召されました



ブログを通じてディーバの家族を長いこと心配していただきました皆様への報告が遅くなり申し訳ありませんが、葬儀を終えて自宅に戻った様子も含めてここに報告させて頂きます。


保護した当初から足に腫瘍があり、2011年10月に手術で摘出したものの一年後に同じ場所に再発。
詳しい細胞検査をした結果、非常に悪性の癌であった事から断脚も検討するように病院で勧められました。
家族で話し合い、既に肺への転移の可能性も高く、お散歩が誰よりも大好きなディーバからその喜びを奪うことは避ける方針を固めました。


それから間もなく、肺炎による高熱で入院し回復を待って検査をしていただいたことろ、すでに肺がんが広がっていること。
余命は短ければひと月、長くても三ヶ月持つかどうかと言われました。

ディーバを連れて帰宅する車で、1人で運転しながらぽろぽろと涙が止まらなかったことを覚えています。
やっと、やっと幸せになったのに、たった一年半で余命宣告を受けるなんてあまりにも不公平すぎると神様に訴えました。

でも、泣くのはそれでおしままいです。
ディーバに残された命をいかに充実させ、楽しく過ごすかを考えることに決めました。

昨年の春、急に誘われたアフガン仲間との小金井公園での初めてのお花見は、お泊り保育中のアンジー君&娘代わりのオフィーリアと一緒に参加チューリップ紫チューリップピンクチューリップオレンジ



Diva2



色々な側面から頑張って病と共存し最後の時とも闘いながら、幸せな時間をできる限り一緒に作ってきました。
奇跡のように何度も何度も生死を乗り越えながら2年が過ぎ、遂にディーバは最後の力を使い果たしその見事なまでの一生に幕を下ろしました。


不屈の精神が多少なりとも運命を変えることができるのだということを、この子には身をもって教えて貰った気がしています。
そのためには、家族の愛と楽しい日々が一番のお薬だったと自負していますが、その私たち家族にも多くの方との出会いや支えがあったのも事実です。

病院の先生たち、東洋医学やハリ治療で免疫アップにお力添えいただいたW先生、多くの愛犬家のお友達、D&Dファミリーの皆様、本当にほんとうに感謝です。


Diva


Diva8
親交の深い方や、SNSで繋がっている皆様から美しいお花が届いています。



たくさんのお悔やみの言葉も頂いております。

<喜びとともに苦労の多いレスキュー活動の中で、その意味や醍醐味を教えてくれる子でした>
<あなたのことは一生忘れません>


誇り高きプライドを持ったこんな犬でさえ保護の対象になるのだと、今でも愕然となる私です。
この子の母犬、父犬はどんなに素敵な子だったのだろうと思うだけで悲しくなります。
また、ディーバがご愛犬の母犬であることを知らないで、この記事を読まれている方もおられるかもしれません。

元ブリーダーとは保護したアフガン全頭の所有権譲渡の書類を交わしましたが、正確な誕生日や登録名はわかりません。
それでも、ディーバが7歳になるまで健康をすり減らしながらこの世に命を与えてきた子供たちのご家族には、この子がどれほど優れた資質の持ち主であったかを是非ご理解いただき、忘れ形見の子供たちを大切に大切に育てて頂きたいと切に願います。



Diva5
子供たちを育てたお母さんだから、棺に納めるお花はモダンなカーネーションと優しさに溢れる色合いでまとめました。



ディーバちゃん、本当によく頑張りましたね!
人に人格があるように犬も犬格という表現ができるのであれば、あなたほどの犬格の持ち主は滅多に存在するものではありません。
あなたの魅力や頑張りは簡単に語りつくせるものではなく、ママのブログでもいつか皆様にお話ししようと思ってます。

苦難に満ちたあなたの犬生でしたが、今ここにママからたくさんのはなまるを貰って卒業したことを、天国の神様にちゃんと報告してください。
もう2度と辛く悲しい日々を過ごすことがないように...

そしていつか必ず、家族やお友達みんなでお空で楽しく暮らしましょう!
その日まで、どうぞ安らかに...



           あなたを心より尊敬するママより愛をこめて