水道橋駅を出て東京ドームシティの敷地内に入ると、長蛇の列ができていた。ドラゲー人気もここまで来たかと驚きながら後楽園ホール前に行くと、行列は後楽園ホールではなく東京ドームから伸びているのだった。
B’zのライブが行われるのである。しかも何らかのトラブルがあったらしく、開場が遅れているが故の行列なのだった。
後楽園ホールではトラブルはなく、時間通りに始まった。オープニングは、ウォリアーズ劇場。CIMA、Gamma、ドラゴン・キッド、そして新加入の堀口元気が登場し、東京のファンへの堀口のお披露目会となった。
メインMCはもちろんCIMAであるが、なんと相方をドラゴン・キッドが務めた。CIMAのリードによるものか、あるいは場数を踏んだからか、キッドのマイクも結構サマになってきてハラハラすることがなくなったのは素晴らしい。
そんなふたりから紹介され、「堀口なんか」「堀口ごとき」と散々な言われ方をされながらも、快くユニットに参加した堀口に、ファンから大歓声が浴びせられた。もともと堀口という選手は地味ながらも好感度の高かった選手で、今回のベビーターンをファンは「待ってました」という感じで迎えたのだった。
しかし、これを快く思わないのが、裏切られた形のリアル・ハザードの面々。堀口の初音頭による「ウ~」が行われようというまさにその瞬間、新井、神田、菅原、Kzyが現れ、菅原と堀口が舌戦。その混乱のまま、いきなり第一試合のゴングが鳴った。
第1試合 ×堀口元気 vs ○菅原拓也
実はこの試合は、この日の第3試合に特別試合としてラインナップされていたものだ。しかしオープニングからの流れのまま、お互いの「今すぐやろうぜ」という発言もあって急遽試合順が変更になったのだ。
もちろん試合がまともに行われるわけがなく、リアル・ハザードが介入しまくり。ウォリアーズも介入を試みるが、Gammaの竹刀攻撃が堀口に誤爆するなどして、やはり乱戦ではリアル・ハザードに分がある。久々のHAGEコールが何度も何度も後楽園ホールに鳴り響く中、菅原の十三不塔でピン。
すっきりしない結末ではあるが、リアル・ハザードの試合はこれが当たり前であって、会場がかなり温まった。しかも試合後にはKzyがハサミを持ち出し、堀口の後頭部の辮髪をためらいもなくスパッとちょん切るという暴挙に及び、会場全体がますますヒートする。哀れ堀口は、これでもう本当に失うものがなくなったのである。かろうじて後頭部に残っていた貴重な髪が…
なお、リアル・ハザードが改名を宣言。新しいユニット名は“ディープ・ドランカーズ”。これまで酔っ払いキャラは新井だけだったが、今後は全員が酔っ払いになるようだ。もっともその後に現れたK-ness.が、「酒の弱い奴らが何言ってんだか。ドラゲーで一番酒が強いのは俺だ」と豪語していた。
第2試合 ×ドン・フジイ、Gamma vs ○NOSAWA論外、MAZADA
第3試合が第1試合に繰り上がったため、本来予定されていた第1試合が第2試合に繰り下がった。何気に役者が揃っている好カードである。
ところが意外なことに、というかフジイが入っているから意外でもないが、お笑いマッチとなったのだった。しかし東京愚連隊のふたりはさすがに世界を股にかけて泥水を啜って生き抜いてきた選手、どんな試合にも対応できるし、これはこれでかなり楽しめた。場外乱闘でフジイが椅子を手にすると、論外は最前列にいた観客の女性を盾にするという暴挙に出て、「論外、サイテー」の黄色い非難を浴びていた。論外とGammaの、武藤ムーブのシャイニング・ウイザード物真似合戦もあったりして、かなり笑えた。
もっとも、お笑いの中に確かな攻防もあり、ちゃんとプロレスの試合としても成り立っていたところがさすがである。ラストはフジイのラ・マヒストラルを切り返した論外の超高校級ラ・マヒストラルでピン。
両軍の間に遺恨はなく、むしろ今はベテラン軍というゆる~い仲間であるから、試合後は握手をして健闘を称え合った。と思いきや、愚連隊が裏切ってフジイとGammaに蹴りを見舞うなど、最後まで“らしさ”を貫いていた。
第3試合 ○スペル・シーサー vs ×KAGETORA
苦節16年、ようやくブレイブゲートチャンピオンとなったシーサーが、やはりようやくKAMIKAZEという安住の地を見つけたKAGETORAとシングルマッチ。お互い、精神的なモヤモヤを振り払って吹っ切れた好勝負が展開されるのかと思われたが、なんと試合開始早々にサプライズが。
コスチューム姿、つまりほとんど裸の澤宗紀が、客席をウロウロしているのである。どうやらチケットを買って入場したらしく、日高郁人とふたりで南側の客席で自分の席を探しているのだ(ちなみに日高は私服)。こうなると観客は試合に集中できず、視線は澤の方に向いてしまう。ZERO-1のリングでシーサーと澤の間に因縁が生まれているらしいから、いつか乱入するのではないかという目で見てしまう。
ところが澤は、変態を自称しながらも紳士的でもあるので試合への介入はせず。試合は無事に行われ、切り返しの攻防の末にシーサーが勝利すると、試合後はKAGETORAも素直に握手に応じた。
そしてここでようやく、シーサーに促されて澤がリングに登場である。それも喧嘩腰ではなく、実に平和的でのどかなもの。シーサーから「コスチューム姿で何をしに来た」と問われて、「両国でタイトルマッチと言われたから来たけど、ここは両国じゃないの?」
あまりにも見え見えの両国大会引っ張り作戦であるが、澤のおとぼけに観客は呆れながらも付き合うしかない。シーサーは澤の誤解を解きながら、3.22両国でのタイトルマッチを正式に承諾。するとそこに堀口が現れ、失うものが何もなくなった俺にも挑戦させろと、わけのわからない強要。なんだかんだで、両国のブレイブゲート選手権は、シーサーvs 澤vs堀口の3WAYマッチと決まったのだった。
(後編に続く)