ドラゴンゲートの興行では、第1試合が始まる前から、選手たちのマイクによるオープニング劇場が繰り広げられることが通例になっている。いつもならそれは第一試合に登場する選手の一方の側が担当し、そのまま試合へとつながっていく。
ところがこの日は異例で、第一試合とはまったく関係のないウォリアーズ5の面々がリングに上がって、オープニングのお笑い劇場を繰り広げたのだった。
これには驚いたが、これが観客のニーズという会社の判断なのだろう。まずCIMAのマイクで観客を笑わせ、会場を暖めようということで、いかにウォリアーズ5がノリにノッているかをうかがわせるできごとだ。
当然CIMAたちはその期待に十分以上に応えて、なんとふんどし姿まで披露する。というのも、「KAMIKAZEが日本男児とか言ってるが、どうせあいつらブリーフやトランクス穿いてるんや。真の日本男児ならこれや!」(CIMA)という、メインで対戦するKAMIKAZE、特に信悟へのこれみよがしの当て付けなのである。KAGETORAがふんどし姿を恥ずかしそうにしているのが印象的だった。
その、まことに日本男児らしい凛々しき姿で、さらにCIMAがKAGETORAの新ニックネーム(?)を披露し、リングアナに「KAGETORA一丁目」と呼ぶことを、そして観客に「イッチョウ」コールを要請した。なんで一丁目なのかさっぱりわからないが、とにかくこのようにCIMAは徹底的にKAGETORAを弄り倒す。KAGETORA本人も、照れ臭そうにしながらも実に楽しそうだ。これまでの彼の苦難のレスラー人生を考えると、ドラゲー本体で団体の象徴ともいえるCIMAから弄り回されるなんて、楽しくて仕方がないだろう。
とはいえ、彼らのふんどし姿には苦言を呈さざるを得ないのも事実だ。ふんどしの場合、背後はもっと尻に紐を食い込ませて尻肉を露にしなくてはならず、あんな中途半端に尻を隠した状態では男盛からバカにされても仕方がない。どうせやるなら、そこまで徹底してほしい。
盛大なイッチョウコールの後はヤングバックスのふたりが呼び込まれ、ふたりがウォリアーズ5に新加入したことが報告された。ということは、今後ユニット名はウォリアーズ7になるのだろうか? このふたりはそもそも日本男児ではないから、当然ふんどしにはならなかった。
第1試合 レースネーミングライツ(レース名命名権)争奪マッチ
○吉野正人、B×Bハルク、谷嵜なおき vs ×サイバー・コング、神田裕之、新井健一郎
第一試合は、新たな因縁抗争勃発の吉野とサイバーの絡みが中心。吉野がサイバーに突っかかったという話を聞いたときには唐突感が否めなかったが、サイバーの巨体とパワーを一見の観客にも印象付けるには、相手は森や吉野といった身体の細い選手が見るからに好対照で適しているのだろう。実際ふたりとも、細いが打たれ強いことでも定評がある。
第一試合から、いきなりの場外乱闘が行われた。私はこの日は西側に座っていたため、いつ選手が自分のところまでなだれ込んでくるかわからない。
しかしそれはこのメンバーを見れば十分に予想できたことなので、入場時に買ったレモンハイを早々に飲み干し、カバンを抱えていつでも逃げられる体制を整えていた。カバンの中にはPCが入っているので、人に踏まれたりしたらヤバイことになる。ましてやサイバーなどに踏まれでもしたら粉々に砕け散ることも覚悟しなければならない。しかし幸か不幸か、私のところまでは誰も来ず。安堵する気持ちとは裏腹に、それはそれで淋しくもあるのだった。
この試合中、アラケンがビール瓶でハルクを殴ろうとするという、両国大会を髣髴させる場面もあり。
第2試合 オープン・ザ・お笑いゲート選手権試合 3WAYマッチ
(王者)○アンソニー・W・森 vs (挑戦者)“ハリウッド”ストーカー市川 vs (挑戦者)ジャクソン・フロリダ
お笑い転向の森が、カツラを被ってすました顔で入場。もうこの時点で、タイトル防衛は決まったようなものである。
当然試合はカツラを巡る攻防が中心になり、八木レフェリーまでもが「俺にも被らせろ」と奪い合いに参加して、3WAY ならぬ4WAYマッチの様相を呈した。
このタイトルは、試合結果とは関係なしに、試合後の観客の拍手の多さで勝敗が決まる。もちろん森が圧勝したのだが、ジャクソンにもそこそこの拍手が起こった。哀れなのは市川で、パラパラといった程度のまばらな拍手しか集められなかった。ただこの市川、実は私は非常に評価しており、“滑りまくりで笑えないお笑いレスラー”という新たなジャンルを確立したように思えるのだ。地方会場では人気があるらしいし、これはこれで貴重なキャラだろう。
試合後は菊タローが入ってきて、森に挑戦表明。「お笑いレスラーはこれ以上いらないから、早くシリアス路線に戻ってください」とアピールし、5・15後楽園でのタイトルマッチが決定した。
第3試合
土井成樹、×m.c.KZ. vs ○マット・ジャクソン、ニック・ジャクソン
ウォリアーズ入りしたヤングバックスの登場だが、ここでもまたかつらが登場。セコンドのCIMAとGammaが金髪ロン毛のかつらを被って来たのだ。このふたりは、リング上でもリング下でも、いつでもどこでも注目を集めてしまうからたいしたものである。
それに比べると、どうしてもドリームゲートチャンピオンの土井の影が薄いと言わざるを得ない。団体最高峰のベルトを持った選手が試合をしているのに、相手チームのセコンドの方に目が行ってしまうのだから。
また、影が薄いといえばKZ.だ。剣心、RYOMAが注目を集め始めた今、完全に尻に火がついている。
(後編に続く)






