このブログに観戦記を書いてこなかったが、実は私は、昨年(2008年)に行われたドラゴンゲートプロレスの後楽園大会をほとんど観戦している。ほぼ皆勤賞なのである。
なぜ“ほぼ”が付くのかというと、行かなかった大会が一回だけあったからだ。すると「一回でも休んだら皆勤賞じゃないじゃん」という突っ込みを入れてくる人もいるだろうが、そんな突っ込みには「全部行ったからといって会社から表彰されるわけじゃないから、そもそも皆勤賞なんて賞はないんだよ」とボケておこう。要するに、ここでいう皆勤賞とはあくまでも比喩であり、本人の心の中の問題だ。
だから胸を張って“ほぼ皆勤賞”と言いたいところなのだが、悔やんでも悔やみきれないことがあって、胸を張ることが出来ない。行かなかったその一回が、よりによって8月のノーリングマッチだったということだ。ドラゲーの後楽園大会に10回以上も通っていながら、プロレスの歴史に残るノーリングマッチ、日本プロレス興行史上最大のアクシデントを見逃したというのは返す返すも残念であり、心の底から悔しさが込み上げてくる。
それはともかくとして、それだけ見ていながらなぜドラゲーの観戦記をここに書いてこなかったかというと、ドラゲーは連続ドラマであって、ストーリーの流れが速すぎて追いつくことが難しいからだ。現存する日本のプロレス団体で最多の興行数を誇るドラゲーでは、選手間の抗争やユニットの再編といったドラマが頻繁に起こっており、月に一回程度の観戦ではリアルタイムにすべてを把握することは不可能だ。そもそもドラゲーは神戸が本拠地だし、博多や名古屋でもビッグマッチがよく開催されており、それらの地でストーリーが大きく転換することもある。したがって、ほぼ月に1回の後楽園大会を見ているくらいでは流れを正確に追っているとはいえず、いくら観戦記を書いたところで翌日にはストーリーが変わっているような気がして、書いても無駄のような気がしていたのだ。それなら最初から観戦記を書こうなどとは思わず、純粋に目の前の試合だけを楽しんでいれば良いだろうと、メモを取らずにレモンサワーばかり飲んでいた。
しかし、年が変わって気も変わったので、今年からは書くことにした。なぜ気が変わったのかと言えば、特に深い理由はなく、ただそんな気分になったからというしかない。
ということで、2009年初のドラゲー東京興行、1.23後楽園大会に行ってきた。3月のビッグマッチ、両国国技館大会につながっていく重要な大会だ。
この日は6:30試合開始ということであったが、6:20頃から第0試合が始まったので驚かされた。その試合にはホルへ・リベラ先生やターボマンなどが出ていたようだが、私はこの日の会場で先行発売されていた両国大会のチケットを求める列に並んでいたため、残念ながら見ることはかなわなかった。
第1試合
ドラゴン・キッド、○岩佐拓、戸澤陽vs土井成樹、吉野正人、●PAC
第1試合からいきなり、ドリームゲート王者の土井、ブレイブゲート王者の吉野が登場するという、超豪華版の6人タッグマッチ。ドラゲーには“前座”という概念がないので第1試合が豪華なことが往々にしてあるのだが、さすがに土井吉を第1試合に出すのはやりすぎではないだろうか。昨年の後楽園ではほとんどすべての大会でメインをとり、興行の締めをまかされていたふたりだ。ふたりのファンは大勢いるはずだから、仕事の都合で第1試合に間に合わず来てみたら土井吉が終わっていたということでガッカリした観客も大勢いたのではないかと他人事ながら心配になる。病み上がりの吉野の体調を案じての処置だろうか。
しかし試合は充分に白熱し、吉野も病み上がりを感じさせない動きを見せてくれた。ドリームゲート王座への挑戦が決まっている岩佐が、意地を見せた形でPACから勝利。ちなみにタイフーン所属だったPACは、今後はWorld-1所属で行くことが、試合前に土井から発表された。PACからしたら気が付いたらタイフーンが解散していたということで、流れについていけないのはファンだけでなく選手も同様らしい。
なお試合後はリアル・ハザードが乱入して、YAMATOがKAMIKAZEのセコンドについていた鷹木信悟を挑発。この日のメインにつなげるためだろうが、ここでも土井吉は“もっていかれた”形になってしまって気の毒だった。
第2試合
○斎藤了、K-ness. vs マグニチュード岸和田、●Gamma
この試合での注目は、リアル・ハザードを追放されて無所属となったGammaの闘い方。ベビーフェース転向という説もあったが、青い竹刀を持って観客を脅しながら入場し、試合では相変わらずの唾攻撃を繰り出し、観客の不快感を煽っていた。ただし、逆に斎了の唾攻撃、K-ness.の汚水攻撃を浴びる場面もあり、観客から喝采を浴びていた。
岸和田とのコンビネーションは良く、いくら元リアル・ハザードの仲間といってもあまりに良過ぎたため、絶対誤爆して最後は仲間割れするだろうと予想されたが、それがなかったのが意外。試合に敗れた後は岸和田だけでなく斎了、K-ness.とも握手をし、四方の観客に礼をして退場するという驚きの行動も見せた。本当にベビーターンするのだろうか? それともこれも、なんらかの悪の思惑があっての偽装行動だろうか? あの風貌とこれまでの行動からして、ベビーフェースへの転向は無理だと思うのだが。
第3試合
堀口元気、○サイバー・コング vs スペル・シーサー、●アンソニー・W・森
サイバー・コングと森の間には確執が勃発しているようで、このふたりの絡みがテーマの試合。といっても、ほぼ一方的にサイバーが肉弾攻撃を仕掛け、森がそれを受け続けるという展開。こうなると、攻撃しているサイバーよりも、それを受け続ける森のほうが印象に残る。一見、ひ弱ではあるが、あれだけの攻撃を受け続けられるのだから、やはり森は立派なプロレスラーだといえるだろう。
試合後はサイバーがハサミで森の髪を切り、客席に投げつけた。マスカラ・コントラ・カベジュラでの決着か?
(後編に続く)




