最近、このアメーバブログでシステム変更(本文内に広告掲載)や、アクセス集中によるシステム障害があり、そのあたりの事情についてスタッフブログ というところにスタッフからのお知らせが掲載されている。そしてそれに対して、各ブロガーがああだこうだとコメントを寄せているのだが、その中に気になるものがいくつかあった。

 ほとんどのコメントはシステムに対する不平や不満なのだが、そういう意見があると必ずのように「タダでブログを書かせてもらっているのだから文句を言うな」という内容のコメントが入るのだ。アメブロスタッフを擁護し、逆に文句を言っているブロガーを非難するコメントである。

 そして、こういった意味のコメントを見るたびに、私は「それはいくらなんでも違うだろう?」と疑問に感じる。

 しかし自分の中で感じているだけでは誰にも伝わらないので、一応ここに、なぜ違うかを書いておくことにした。

 ちなみに私はこのブログを20068月から始めているが、このスタッフブログというものの存在は、今月になって初めて知った。私は好きなときに書きたいことを書いているだけなので、システム機能の追加やお知らせなどにはこれまでまったく興味がなかったからだ。

 したがって以前のことは知らないのだが、おそらく昔から、こうしたスタッフとのやりとり、そしてそれを巡るブロガー同士のやりとりはあったと推測する。そしてもしそうならば、「タダで使わせてもらっている」というコメントはこれまでも何度も出てきたに違いない。

 そして、それがいまだに、2008年の2月になっても繰り返されているという事実に、私は驚かざるをえない。なんて純粋な人が多いのだろう。

 というのも、株式会社サイバー・エージェントは、このアメブロ をボランティアで運営しているわけではなく、あくまでビジネスとして、会社の利益を上げるための手段として運営しているからだ。支出分さえカバーできれば収支トントンで良いなどとも絶対に思っていない。なんとかしてガッポリ儲けようと思っているはずだ。

 どうもそこのところを、いまだに勘違いしている人がいるらしい。そうでなければ、「タダで使わせてもらっている」などというコメントは出てこないだろう。

 サイバー・エージェントがビジネスとして、どうやって利益を上げようとしているのかといえば、それはもちろん広告収入である。

 220日に電通が発表した2007年の国内広告費調査によると、インターネット媒体向け広告が前年比24.4%増の6003億円で、雑誌を抜いてテレビ、新聞に次ぐ第3の広告媒体になったという。

 日本中のあらゆる雑誌に掲載された総広告費よりも、インターネットに投下された広告費の方が多くなっているという現実。インターネット広告の黎明期はとうに過ぎ、いまやネット企業同士がたわわに実った果実の分捕り合いをしているのである。さらには、雑誌と違ってインターネットの場合は用紙代・印刷代・輸送代などはかからないから、支出ははるかに少なくて済む。

かつてはテレビ、新聞、雑誌、ラジオが「4大広告媒体」と言われていたが、いまやテレビ、新聞、インターネットが「御三家」という時代になったわけだ。しかも新聞は前年比2.6%減、テレビは0.9%減なのだから、インターネット広告がいかに急伸しているかがわかる。果実の分捕り合いどころか、新しい果実もどんどん実っているのだ。

 アメーバブログも、このインターネット媒体のひとつであることは言うまでもない。当然のことながら、広告収入は大きく伸びているだろう。

 もちろん、だからといってすべてのインターネット媒体が儲かっていると言うつもりはない。個々のサイトを見れば、黒字のサイト、赤字のサイトがあるのは当たり前だ。収入は増えているがまだまだ赤字というサイトもあるだろう。黒字になっても、初期投資分が解消できなくて累積ではまだ赤字というところもあるだろう。

 しかしこのアメブロは、ブログサービス業者の中で最大規模を自称しているのだから、さすがに赤字ということはないのではないか。もう充分に利益が出ているのではないか。

 仮にまだ赤字だったとしても、将来的には必ず黒字になるはずだと見込んでいることは間違いない。そうでなければブログサービスからはとっくに撤退しているはずだ。そもそもこれだけブログサービス業者が乱立しているのも、ブログは儲かる商売だということが定着したからではないか。とすれば、その最大手が儲かっていないわけがない。

 利益が出ているとすれば、それは誰のおかげなのか? 広告主がお金を払ってくれるからだが、広告主はなぜアメブロにお金を払って広告を載せるのか? アメブロに多くの読者が集まってくるからだ。アメブロになぜ読者が集まるのか? 多くのブロガーおり、彼らがブログを更新するから、それを読むために人が集まるのだ。

 要するに、ブロガーがいてこそのアメブロ、ブロガーを利用してサイバー・エージェントは儲けているのである。

 そしてアメブロは、さらにあの手この手を使って広告収入を増やそうとしている。

 広告収入を増やすためには、大きく分けてふたつの手段がある。1.量を増やすこと 2.単価を上げること、のふたつだ。

1.量を増やす

 これまでも記事の周辺にはいくつも広告が掲載されていたが、さらに広告スペースを拡大するためにアメブロは、各ブログの本文内に広告を掲載するということを始めた。

 これを最初見たとき、私は仰天した。自分が書いていないことが記事の中に載っていたのだから、何かのバグだと思ったくらいだ。そして次に、自動的に広告が挿入されるようになったのかと気付いたときには、なんとも不愉快な気持ちになった。枠外ならともかく枠内に広告があったら、まるでその会社や商品を私が宣伝しているみたいではないか。

 どうやらそう思ったのは私だけでなかったようで、スタッフブログにはこの件への抗議がかなり寄せられている。抗議のポイントは3点。

●本文と一体化しすぎている

●本文内に広告を表示させたくない

●表示されている広告内容を変えてほしい

 これに対してスタッフは返答をし、既にいくつかの改善を行っている。それはいいのだが、第2点に関しての『広告非表示機能の開発を行っております。リリースは7月~8月を予定しております』はいただけない。多くの抗議があったら、いったん広告を外して表示・非表示を選べるようにしてからリリースすることが普通の対応ではないか。新システムの開発にも時間がかかりすぎる。おそらく真相は、広告代理店などに78月分までの広告枠をすでに売ってしまったから、少なくともそれまでは外せないということではないのか。そしてそのくらい時間が経過すればブロガーたちも慣れてしまって、もう文句も出なくなるだろうと、甘く見ているのではないか。

 第3点についても、『不適切な広告内容については広告配信会社と調整を行っております』と、広告掲載企業としての責任をまったく自覚していない返答だ。媒体は掲載広告に対する責任があるはずであって、他社のせいにするというのは責任逃れでしかない。このへんは、倫理観の欠如した新興企業丸出しだ。

2.単価を上げる

 基本的に広告料金とは、どの程度の人々の目に広告が触れるかによって決まる。より多くの人の目に触れることが期待できれば広告料金を高く設定することが可能となり、少なければ料金も安くせざるを得ない。新聞や雑誌なら発行部数、テレビなら視聴率が基準となり、インターネットなら当然、アクセス数だ。

 したがってアメブロは、このアクセス数を増加させるためにも、さまざまな方策を用いている。ペタとかアメンバー、『アクセスアップ講座』なども、その一環である。ブロガーがお互いに読者になりあって、その輪がどんどん広がって、常に知り合いのブログを回覧するようになれば、自ずから総アクセス数はあがっていく。

 表面的にはブロガー同士の交流のお手伝い、あなたのブログのアクセスアップのお手伝いを装っているが、実はそんなことは二の次であって、それよりなにより、総アクセス数の増加が第一義であることは絶対的に間違いない。

 ブログネタを提供しますというメールもそうだ。ブログを始めたもののネタがないという人が多いのでネタを提供しているということのようだが、これも表面上の理由。ブログは更新されなければアクセス数は増えないから、どんどんネタを提供して一行でもいいからとにかく更新してもらいたいのだ。

 こうしてアクセス数が増加していけば、そのデータを基にして現行の広告料金の改定、つまり値上げができる。サイバー・エージェントはこれを狙っている。

 ということで、アメブロは儲け主義丸出しでさまざまな事を行っているのだが、実は私はそれを批判しているわけではない。ここまでわざと皮肉な書き方をしてきたが、ビジネスは決して悪いことではなく、サイバー・エージェントが株式会社である以上、利益を追求するのは当たり前の話だ。

 ただし、その真の意図を隠して、まるでブロガーのためにサービスでやっているかのような態度を装っていることが気に食わないだけだ。

 そしてそれに騙されて、「スタッフは我々のために一生懸命やってくれている」と勘違いしている人がいることも嘆かわしい。

 ブロガーは、自分の意見をネット上に発表したい。運営会社は場を提供して利益を得る。お互いが持ちつ持たれつの関係にあって、どちらかがどちらかに対して過度にありがたがる必要はないのだ。もちろん、逆に尊大になる必要もない。

 ブロガーはシステムに不満があったら、それを素直にスタッフに伝えればいい。逆に勘違いして威張り散らす人がいるのも問題なのだが、少なくともまともな不平・不満なら、スタッフはそれを望んでいるはずだ。アメブロとしては、できるだけブロガーの不満を減らして気分よくブログを書いてもらうことが、自らのビジネスに直結しているのだから。

 さて、この下にはどんな広告が掲載されるのだろう?