巨額の赤字決算を出した野村を始め、証券会社はどこも経営が
苦しくなっています。大口顧客は資金を引き揚げてしまい、
信託報酬を得られなくなったばかりか、金融商品の販売手数料
も激減しています。そんな証券会社にとって確実に利益が出る
のがIPOの主幹事を務める事です。上場する会社からかなりの
手数料を取れるのはもちろんですが、IPOを販売した個人投資家
からも株式売却手数料を取れます。しかし、それだけでは
ありません。

いわゆるOA、オーバーアロットメントとは主幹事が個人投資家に
空売りする事を意味しています。大幅公募割れすれば、買い戻して
(公募価格-初値)が主幹事の利益となります。売り気配でスタート
すれば、主幹事のIPO担当部門は全員万歳三唱 \(^O^)/のお祭り
騒ぎです。個人投資家がいくら損しようがそんな事は気にも留め
ません。証券会社のお腹は痛みませんからね。御得意顧客に大損
させるのは後がコワいけど、もう彼らは現金化して逃げ出しちゃった
訳だし今更気遣う必要もありません。
「需要申告したのは貴方でしょ?リスク大きいというのは説明済み。」
結局、担当の口車に乗せられて買ったモンが馬鹿を見るという事に
なります。
「このままずっと全銘柄が公募割れしてくれたら安定的に大きな
利益が見込める・・・特に大型案件で」主幹事証券の切なる願いです。

ではもし公募割れしなかったら証券会社は大損して買い戻す事に
なるの?かというとそんな事はなく、グリーンシューオプションを
行使して公募価格で大株主から買い取るか第三者割当増資しますので
証券会社は絶対損をしないようになっているのです。12月に駆け込み
上場させて主幹事証券社員のボーナス原資にしようと企んでいる
ようですね。あなたの大切な資金・・・彼らに献上してしまっても
良いのでしょうか?