ごん助とのこと  東日本大震災14 | 現役の動物看護師が開くペットサロン♪ Dogs☆Napper

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動物病気で勤務しながら、自宅サロンではスキンケアを重視したトリミングをしています。
獣医師と連携しながら、安心安全なトリミングをしています。



2011年春。


ゴンの衰えが目立つようになっていた。

車椅子での歩行はほとんどできなくなり、散歩は抱っこ中心。

それでも外へ出るとなんとなく満足しているように思う。

2月頃だろうか、昼間は寝てばかりのゴン助が夜になると鳴き出すようになっていた。

「ク~ンク~ン」という悲しい声。

初めは痴呆症になってきたのかな~と思う程度だった。

なんだかんだでゴンも歳なんだと。


3月。ゴンの様子はあまり変わりなく。安心していた矢先、東日本大震災がおこる。


その時は娘と出かけていて、ゴンは一人家にいた。

自宅から車で数分のところへいたため、すぐに帰ることができた。帰り道、団地内の道路は陥没し、とにかくただごとではない空気がながれていた。

自宅の外観は大丈夫、駐車場と門は少し沈んでいる。


「ゴン!!!」


叫びながら家に入った。


・・・ゴンは爆睡していた。

幸いにも、ゴンが寝ているリビングは物の落下は少なく、ケガをすることもなかった。


大変なことになった。電気もガスも水道も使えない生活。ゴンのご飯は買ったばかりで困ることはなかったが、ゴンの膀胱洗浄用のお水を病院にとりにいくことができない。病院は塩釜で津波のきた地域。津波被害はまぬがれたが行く途中の地域が津波の被害にあっていた。状況を確認する情報もなかった。なによりガソリンがないのだ。


旦那さんは仕事の対応におわれ、ほとんど帰宅できない。

私と娘とゴン。夜はロウソクの明かりで過ごす。寒いし暗闇は恐かった。

でも、ゴンの顔はいつもと変わらなかった。こんな状況でも変わらぬ表情で寝ているゴンの姿に私達は安心していたし、

寂しさも和らいでいたのだと思う。
ぷっちいの愛犬と家族の日常-ごん.jpg