午後からは塩竈にある元職場へ行こうと思っていたので.少しながらの物資を持って出発
正直ドキドキしていました。どんな現場になっているのか想像もできず.想像しても毎日通勤していた景色しか思い出せないからです。
一般道は混雑が予想されるため.やっと規制が解除された有料道路で行きました。だんだん津波の押し寄せた地区に迫るにつれて.自分の心が落ち着かなくなっています。
ドキドキ･･･
田んぼが広がる地帯にさしかかると.ありえない光景が･･･。
いたるところに瓦礫が散乱し.家や車があります。言葉になりません。
塩竈までは蒲生を通り.多賀城を抜けて行くつもりでした。
被害が大きかった荒浜地区･蒲生地区。もうどこがどこなのか･････
蒲生地区には親しくしていた患者さんがいるし.無事か確認したいと思っても.家に行く目印もなにもありません。
友達と海に遊びに行く時に通った道の風景も.今はまったく違う場所です。
目に入る光景は想像を超えていました。
塩竈に行く道は少し混んでいましたが.無事に病院に到着。ドアを開けると良く知る飼い主さんが診察に来ていました。その他にも飼い主さんがいました。話しを聞くと.家が津波により流されたという患者さんが2組いらっしゃいました。それでもきちんと予防注射のために徒歩で診察に来ているのです。正直驚きましたが.その苦しい状況の中でも愛犬を大切に思う気持ちに心があつくなりました。
壊滅的な被害の七ヶ浜菖蒲田地区。飼い主さんの安否を確認したところ.家は流されてしまいましたが.飼い主さんもペットも無事だということで安心しました。今日塩竈に行くまで毎日心配で仕方ありませんでしたが.少し気持ちが落ち着きました。
しかし.もう一つ心配だった.陸前高田に住む院長のおじさんです。私が勤めていた時にも.ペットのフェレットやハムスターを連れて診察にきていました。スタッフ達にもよくしてくれる優しい方でした。
院長から亡くなったことと.ご遺体もみつかったことを聞かされました。院長の義理のお母様を避難させた後に.自宅なのか知り合いのお宅なのか戻ってしまい.津波に巻き込まれたとのことでした。
残念です。おじさんの笑った顔が頭をよぎりました。私は親族でもなんでもありませんが残念で仕方がありません。塩竈からの帰り道.買い物をしようと開いているお店に立ち寄りました。
お会計の時に財布を持つ手が震えていました。
現場をみた時はただア然とするばかりで言葉になりませんでしたが.やはり津波の恐ろしさは最大級でした。