僕は今、「行動分析学」(あと「対人援助学」)っていうものに基づいてドッグトレーナーという仕事をしております。
「行動分析学」との出会いは、ざっと10年ぐらい前になるんですけれども、色々なご縁もありまして、「行動分析学に基づいた犬のしつけ」てなものを、プロの方たちや飼い主さんたちに向けてお伝えするセミナーの講師もさせていただいております。
そのセミナーである「犬塾 」っていうのがスタートしたのが、ちょうど2年前です。
2年前は大阪で、確か5人ぐらいでスタートしたと思うんですが、今は東京、名古屋と場所も増え、飼い主さん向けの「かいぬし塾 」というのも、大阪と東京の2ヶ所で行ってます。
去年の12月からは、ありがたいことに新潟 でもセミナーが始まりまして、また大阪でも第2期が1月16日からスタートします。
とまあ、本当に色々なご縁に感謝しまくっている毎日なわけですが。
ただ、もっともっとたくさんの方に、「行動分析学」ってものを知ってもらいたいなぁ、興味を持ってもらいたいなぁとも思うんですよね。
でも、なんていうんでしょう?
こう「行動分析学」とか言われてもねぇ、知らない人にとっては「だから?」って感じなのかしら?とか、「科学的根拠に基づいた犬のしつけ」と常々言うておるんですが、それも「で?」っていう感じかもしんないとか、思ったりもするわけなんですよね。
いま一つピンと来ないというか。
そんなわけで「行動分析学を学んだら、具体的に何があるのよ?」っていうところがね、いまひとつわかりにくいというか、これまであまりお伝えしてきていなかったなぁと、この年末年始で思ったんですよね。
僕は「行動分析学」と出会ったおかげで、ものすごく変わりました。
昔はあなた、それこそ「リーダーになりなさい」って言いながら、チェーンカラーでしばきあげてたんですもの。
これはもう実感としてですね、はっきりと「よかった!」って思うんですよ。
わんこを叱ったりしなくてよくなったし、以前よりも確信をもってできることが段違いに増えました。
でまあ、今年はその辺をいろいろと書いていこうかなと。
エピソードとかもいれつつ。
題して。
「やっててよかった行動分析」
僕が「行動分析学」っていうものに出会って、学び始めて、取り入れて、よかったこととか、そんな話をば。
まずは、僕と行動分析学との出会いから。
以前にも書いたことがあるエピソードなのですけれど、僕に「犬の訓練」を教えてくださったのは、警察犬訓練士の先生だったんですね。
で、僕はその先生の下で「訓練」を学んで、この世界に入ったんです。
キャリアをスタートしたころは、いわゆる「リーダー論」というものを信じていて、判で押したようになんでもかんでも「リーダーリーダー」と言ってました。
でも、どう考えてもこの「リーダー論」ってのがおかしい。
おかしいと思ってるものを、飼い主さんに伝えるのはもっとおかしい。
ていうかダメ。
でもそうなると、何をよりどころにしていいかわかんない。
困った。
それが、22歳か23歳の頃です。
ざっと、10~11年ぐらい前ですね。
そこでまあ、とにかく「リーダーになりなさい」とか「主従関係」とか、そういったものは一切捨てて、「飼い主さんとわんこが、共通のルールの下で暮らす」みたいな考え方にシフトしました。
で、これまた多分、同じ年か翌年ぐらいに、アメリカから某有名なトレーナーの先生が講演に来られるというので、その講演に行ったわけです。
その講演では、もう目からウロコが何枚落ちたかわからないぐらい「わーすごいわーすごい」ってなったんですね。
聞いたことのない「やり方」を、いっぱい知ったわけです。
で、それをそのまま自分のクライアントさんに試してみたら、かなりうまくいったりしたわけです。
「これは使える」となりました。
本も何冊か買いました。
そして翌年にもその先生は来られて、また参加。
さらに何枚もウロコが落ちました。
当時の僕は「チェーンカラーでバキバキにしばきあげる」というやり方をヨシとしておりまして、ところがアメリカの有名な先生は「叱らないで褒めるんだ」ということを盛んにおっしゃっておられました。
あと、いわゆる「陽性強化」なんてのも流行りはじめていたりして、僕のような「チェーンカラーでバキバキ」みたいなのは、今後ダメなんじゃないか?っていう漠然とした不安もありました。
そこで、思い切って「全然叱らないで、褒めまくるやり方」ってものに、シフトしたんです。
ただ。
あくまでもそれは、その「有名トレーナーの真似事」でしかなかったんですね。
まあ、最初は「真似事」でも問題はないと思ってたんですけど、2回目の講演に参加したときに、こう思ったわけです。
「なんであの先生には、あんなにもいろんな『やり方』を思いつけて、
自分には思いつけないのか?」
「真似事しかできないんなら、自分がセミナーに来るんじゃなくて、
飼い主さんが直接来ればいいんじゃないのか」
「なんか悔しい」
簡単にいえば、こうです。
「自分でもああいうやり方を編み出せるようになりたいぞっていうか、
ならなきゃダメだプロ失格だ」
でも、どうすればその「やり方」を編み出せるのかがわからない。
もしも「キャリアの差」(僕はまだ3年目とか4年目のぺーぺーで、あちらはキャリア何十年のベテラン)とか、「お国柄」(なんといっても向こうはトレーニングの本場アメリカ)とかだったら、これはもうしょうがない。
そう思いつつも、有名トレーナーさんの経歴を見たら「行動学」と書いてあったわけですよ。
「これかもしれない」と思ったんですね。
「この行動学とかいうのを勉強すれば、真似事じゃなくて、
自分で考えられるようになるのかもしれない」
しかし、今度はその「行動学とかいうもの」を、どこでどうすれば勉強できるのかがわからない。
「最初は真似事でも構わない」って↑にも書きましたけど、セミナーに参加しても、本を読んでも「やり方」しか知れないんですよ。
いわゆる「理論」が書かれてない。
なんでそんな「やり方」が成立するのかが、どうもよくわからない。
そうなるとですね、これは多くの飼い主さんも同じだと思うんですけど「色んなやり方に振り回される」わけです。
つまり、「応用がきかない」わけです。
あまりにも情けないですよね。
だから、その「色んなやり方」の、裏っかわにあるものを、どうしても知りたかったんです。
で、それがきっと「行動学」っていうものなんだろうと思ったわけなんです。
そこで、当時「行動学に基づいた犬のしつけ」みたいなことが書かれていたサイトの管理人様に、メールを送ったんですね。
多分、5人ぐらいの方に送ったと思います。
「わたくし、関西でトレーナーをやっておる者なんですが、かくかくしかじかで、
行動学というものを勉強するにはどうすればいいのか教えてください」
こんな内容のメールを、極力丁寧に書いて送りました。
で、そのうちのお一人からお返事を頂戴しました。
確か、こんな内容のことが書かれていました。
「日本では、行動学というと『動物行動学』と『行動分析学』が
ごっちゃになっているように思います。
個人的には、犬のしつけには『行動分析学』がよいと思いますよ」
光が見えたような気がしたですね。
そして色々と悶々としていた10年前の僕は、そこではじめて「行動分析学」というものを知ることになったのでした。
続きます。
「行動分析学」との出会いは、ざっと10年ぐらい前になるんですけれども、色々なご縁もありまして、「行動分析学に基づいた犬のしつけ」てなものを、プロの方たちや飼い主さんたちに向けてお伝えするセミナーの講師もさせていただいております。
そのセミナーである「犬塾 」っていうのがスタートしたのが、ちょうど2年前です。
2年前は大阪で、確か5人ぐらいでスタートしたと思うんですが、今は東京、名古屋と場所も増え、飼い主さん向けの「かいぬし塾 」というのも、大阪と東京の2ヶ所で行ってます。
去年の12月からは、ありがたいことに新潟 でもセミナーが始まりまして、また大阪でも第2期が1月16日からスタートします。
とまあ、本当に色々なご縁に感謝しまくっている毎日なわけですが。
ただ、もっともっとたくさんの方に、「行動分析学」ってものを知ってもらいたいなぁ、興味を持ってもらいたいなぁとも思うんですよね。
でも、なんていうんでしょう?
こう「行動分析学」とか言われてもねぇ、知らない人にとっては「だから?」って感じなのかしら?とか、「科学的根拠に基づいた犬のしつけ」と常々言うておるんですが、それも「で?」っていう感じかもしんないとか、思ったりもするわけなんですよね。
いま一つピンと来ないというか。
そんなわけで「行動分析学を学んだら、具体的に何があるのよ?」っていうところがね、いまひとつわかりにくいというか、これまであまりお伝えしてきていなかったなぁと、この年末年始で思ったんですよね。
僕は「行動分析学」と出会ったおかげで、ものすごく変わりました。
昔はあなた、それこそ「リーダーになりなさい」って言いながら、チェーンカラーでしばきあげてたんですもの。
これはもう実感としてですね、はっきりと「よかった!」って思うんですよ。
わんこを叱ったりしなくてよくなったし、以前よりも確信をもってできることが段違いに増えました。
でまあ、今年はその辺をいろいろと書いていこうかなと。
エピソードとかもいれつつ。
題して。
「やっててよかった行動分析」
僕が「行動分析学」っていうものに出会って、学び始めて、取り入れて、よかったこととか、そんな話をば。
まずは、僕と行動分析学との出会いから。
以前にも書いたことがあるエピソードなのですけれど、僕に「犬の訓練」を教えてくださったのは、警察犬訓練士の先生だったんですね。
で、僕はその先生の下で「訓練」を学んで、この世界に入ったんです。
キャリアをスタートしたころは、いわゆる「リーダー論」というものを信じていて、判で押したようになんでもかんでも「リーダーリーダー」と言ってました。
でも、どう考えてもこの「リーダー論」ってのがおかしい。
おかしいと思ってるものを、飼い主さんに伝えるのはもっとおかしい。
ていうかダメ。
でもそうなると、何をよりどころにしていいかわかんない。
困った。
それが、22歳か23歳の頃です。
ざっと、10~11年ぐらい前ですね。
そこでまあ、とにかく「リーダーになりなさい」とか「主従関係」とか、そういったものは一切捨てて、「飼い主さんとわんこが、共通のルールの下で暮らす」みたいな考え方にシフトしました。
で、これまた多分、同じ年か翌年ぐらいに、アメリカから某有名なトレーナーの先生が講演に来られるというので、その講演に行ったわけです。
その講演では、もう目からウロコが何枚落ちたかわからないぐらい「わーすごいわーすごい」ってなったんですね。
聞いたことのない「やり方」を、いっぱい知ったわけです。
で、それをそのまま自分のクライアントさんに試してみたら、かなりうまくいったりしたわけです。
「これは使える」となりました。
本も何冊か買いました。
そして翌年にもその先生は来られて、また参加。
さらに何枚もウロコが落ちました。
当時の僕は「チェーンカラーでバキバキにしばきあげる」というやり方をヨシとしておりまして、ところがアメリカの有名な先生は「叱らないで褒めるんだ」ということを盛んにおっしゃっておられました。
あと、いわゆる「陽性強化」なんてのも流行りはじめていたりして、僕のような「チェーンカラーでバキバキ」みたいなのは、今後ダメなんじゃないか?っていう漠然とした不安もありました。
そこで、思い切って「全然叱らないで、褒めまくるやり方」ってものに、シフトしたんです。
ただ。
あくまでもそれは、その「有名トレーナーの真似事」でしかなかったんですね。
まあ、最初は「真似事」でも問題はないと思ってたんですけど、2回目の講演に参加したときに、こう思ったわけです。
「なんであの先生には、あんなにもいろんな『やり方』を思いつけて、
自分には思いつけないのか?」
「真似事しかできないんなら、自分がセミナーに来るんじゃなくて、
飼い主さんが直接来ればいいんじゃないのか」
「なんか悔しい」
簡単にいえば、こうです。
「自分でもああいうやり方を編み出せるようになりたいぞっていうか、
ならなきゃダメだプロ失格だ」
でも、どうすればその「やり方」を編み出せるのかがわからない。
もしも「キャリアの差」(僕はまだ3年目とか4年目のぺーぺーで、あちらはキャリア何十年のベテラン)とか、「お国柄」(なんといっても向こうはトレーニングの本場アメリカ)とかだったら、これはもうしょうがない。
そう思いつつも、有名トレーナーさんの経歴を見たら「行動学」と書いてあったわけですよ。
「これかもしれない」と思ったんですね。
「この行動学とかいうのを勉強すれば、真似事じゃなくて、
自分で考えられるようになるのかもしれない」
しかし、今度はその「行動学とかいうもの」を、どこでどうすれば勉強できるのかがわからない。
「最初は真似事でも構わない」って↑にも書きましたけど、セミナーに参加しても、本を読んでも「やり方」しか知れないんですよ。
いわゆる「理論」が書かれてない。
なんでそんな「やり方」が成立するのかが、どうもよくわからない。
そうなるとですね、これは多くの飼い主さんも同じだと思うんですけど「色んなやり方に振り回される」わけです。
つまり、「応用がきかない」わけです。
あまりにも情けないですよね。
だから、その「色んなやり方」の、裏っかわにあるものを、どうしても知りたかったんです。
で、それがきっと「行動学」っていうものなんだろうと思ったわけなんです。
そこで、当時「行動学に基づいた犬のしつけ」みたいなことが書かれていたサイトの管理人様に、メールを送ったんですね。
多分、5人ぐらいの方に送ったと思います。
「わたくし、関西でトレーナーをやっておる者なんですが、かくかくしかじかで、
行動学というものを勉強するにはどうすればいいのか教えてください」
こんな内容のメールを、極力丁寧に書いて送りました。
で、そのうちのお一人からお返事を頂戴しました。
確か、こんな内容のことが書かれていました。
「日本では、行動学というと『動物行動学』と『行動分析学』が
ごっちゃになっているように思います。
個人的には、犬のしつけには『行動分析学』がよいと思いますよ」
光が見えたような気がしたですね。
そして色々と悶々としていた10年前の僕は、そこではじめて「行動分析学」というものを知ることになったのでした。
続きます。