昨日更新したエントリの続きというか、関連というか、昨日のみならずこないだからの話の延長というか、まあ最近思ってることなんですけども。
結構もやもやもやもやとしているので、ちょこっと吐き出してみるべぇかと。

あ、先に書いておきますと、以下の文章は「飼い主さん向け」という内容ではありません。
よって、専門用語の解説はいちいち書いてません。
そこのところは、ご理解&ご容赦くださいませませ。

以下、思うに任せて書きなぐり~。


行動分析学とか、応用行動分析を学んで、それをイヌのしつけに活かす、問題行動の改善に活かすという方は、本当に増えてきていると思うんですね。
でも、これは僕も昔そうだったんですけど、「行動を変える」っていうところばかりに焦点が当たっちゃってるという気がするんです。

なんていうかですね、行動分析学とか特に応用行動分析なんかはそんな感じがするんですけど、「表面をさらっとなぞるだけ」でも、結構パワーを発揮してくれちゃったりするんですね。
オペラント条件づけとか、レスポンデント条件づけとかいうのを覚えて、「なるほどそうか、そういう風に行動を変えるテクニックがあるのか」っていう感じで、色々やってみると、これ、確かにうまくいったりする。
「消去」なんてぇのは、割と最たるものかもしれません。
一番単純なのは「要求吠えには無視」ってやつなんですけど、これをスタートすると一時的に吠えが増加する「消去バースト」なんて現象が起こります。
で、消去バーストという現象を知らない方なんかは、びっくりしちゃったりするわけですね。
「無視をしたら、なおるどころか余計にひどくなったじゃないか!」って。
でも、「いや、これはバーストって現象だから、心配は要らないんです」みたいに、ちょっと余裕というか、ゆとりが持てる。
そして、実際に消去できちゃったりする。
「おお、無視してるだけでなおった」みたいなね。

他にも、弁別だとか、般化だとか、そういった概念を覚えていって、「コマンド」っていうものを改めて考え直してみたりとか。
あるいは「シェイピング」というものを覚えて、「本当に褒めるだけで行動って変わるんだなぁ」ってのを実感したりとか。
そういうことって、結構たくさんあると思うんです。
僕はかなりそういうことを経験しました。

ただ、ただね、その、なんていうんでしょう、「それだけじゃない」っていう。
もっと積極的に「いや、そうじゃない」ぐらいのもんかもしれないんですが。
繰り返し言ってることではあるんですけれども、やっぱりね「条件づけ」とか「色んなテクニック」でもって、イヌの行動を変えていくってわけじゃないんです。
や、飼い主さんはそれでもいいのかもしれないです。
でも、専門家、プロはそれじゃあいかんのではないかって思うんですねぇ。

こないだの学会での西川氏の講演や、最近いくつかのブログなんかを読んだりしたときなんかにも感じたりするんですけど、「表面的なところをなぞって、行動を変えられた」ってところで満足しちゃってる人が、専門家にも実は多いんでないかと思ったりするんです。
なんとなくね、中途半端な感じがしてならない。
こう、「色んなところから、つぎはぎを持ってきて作ったパッチワーク」みたいな印象を受けるわけです。

「オペラント条件づけがー」とか、「拮抗条件づけでー」とか、「シェイピングとはー」とか、そういうのをブログに書いている人の中に、「徹底的行動主義」とか「シングルケース(サブジェクト)デザイン」とか「独立変数・従属変数」とか、その辺の「行動分析学を学ぶ上で絶対に外せない事柄」を、理解している人っていうのはどの程度いらっしゃるんだろうかと。

たとえば、昨日のエントリなんかでもね、ABC分析をして、ABC分析をしたにもかかわらず、そこに更にボディーランゲージとかカーミングシグナルとかで「イヌの気持ちを読み取る」みたいなのって、すごく変な感じがするんですよ。
ABC分析って、要は「シングルケース」で、「独立変数」と「従属変数」の関数関係を調べるためにやるものでしょう。
で、もひとついえば、そういう「見てわかる仕草や表情、態度からは判断できないもの」を、「調べる」わけで。
言い換えると、「行動の見た目に惑わされないためにやるのがABC分析」なんですよね。
なのに、ABC分析をしてから、また「見た目に戻る」というのは、僕はよくわからない。
「それはそれ、これはこれ、として分けて考える」っていうものなのかもしれないけれども、それでもやっぱりよくわからない。

あとは、「行動分析学で行動の原因をー」とか言いつつ、「脳の話」を持ってきたりとか。
「行動の原因」を、これ「脳」に求めたら、それはトートロジーですよね。
情報量としては、まったく増えてない。
でも、なぜか「行動分析の話」と「脳の話」を一緒にする人が多い。
この辺もよくわからない。
これもね、「学問的興味があって、そこを調べたい」ってんならわかる。
でもそれは、あくまで「調べる」って話であって、「行動の変容」とは繋がらないわけで。
だって、レッスン中にイヌの脳をいじれないもの。
いじれるんなら、まだ多少は意味があるかもしれないけど。

僕が師事している望月先生@立命館も、「(脳の話は)冗長な情報なんだよね。別に必要がないわけだ」っておっしゃってましたし、僕もそう思う。
著名な行動療法の先生にも、「行動変容という文脈に、脳の話を持ってくるのはどう思いますか?」と聞いたらば、「脳の中で起こってることを、行動の原因として考えるみたいなことなら、まったく意味はないよね」っておっしゃってました。
これまた、僕もそう思う。

つまり、この辺のこと(ABC分析からのカーミングシグナルとか、行動の原因と脳の話とか)をおっしゃる方っていうのは、実は「随伴性」とか、ABC分析」とか、もっといえば「行動分析学」「応用行動分析」を、きちんと理解できてないんではないのか?とか、そんな風に思ったりもするんですよね。
やっぱりここでも、「つぎはぎのパッチワーク」みたいなものを感じるんです。

いやいやいや、実際は違うのかもしれないんです。
僕の勝手な思い込みってやつでね。
実際は、僕の考えなんか及ばないところに、その人のお考えがあってのことなのかもしれません。

今日のこのエントリは、これ、皮肉とかそういうもんではなく、本当にわからんのです。
だから、もやもやしてるんです。
誰か教えてくださいー。

うん、一気に書いてみたぞと。
もうねーずーっともやもやもやもやしてるんですよもやもやもやもや。