吐出の危険性 | ドッグライフプランはしもと日記

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◆嘔吐と吐出

 

犬と暮らしていると、愛犬が食べたものを吐いた。という経験は意外に多いものです。

「食べたものを吐く」には、大きく分けて2種類あります。

 

ひとつは「嘔吐」で、もう一つは「吐出」です。

これらは似ていますが大きく異なる点があります。

「嘔吐」は胃の内容物を口から排出することで、生理的な反射で起こります。それに対し、「吐出」は食道の内容物を吐くもので、生理的な反射ではありません。

 

◆「吐出」は気管が開きっぱなし

 

食べ物を飲み込むとき、途中に分岐点があります。胃に進む道と、肺に進む道です。

食べたものが肺の方に進んでしまうと、誤嚥性肺炎の原因になってしまいます。これは死ぬこともある症状です。

そこで、食べたものが肺の方に進んでしまわないように、食べ物を飲み込むとき、「喉頭蓋」というパーツが肺の方に進む道をふさぐようにできているわけです。

 

「嘔吐」は生理的な反射なので、「喉頭蓋」が肺の方に進む道をふさぐようにできています。そのため基本的には気管に内容物が行くことはありません。

 

問題は「吐出」の方で、生理的な反射ではないため「喉頭蓋」が肺の方に進む道をふさいでくれず、気管への道が開きっぱなしになり、そちらに入ってしまう可能性が高くなるため、誤嚥性肺炎の危険性が高まります。

 

◆かるくとらえられがちな「吐出」

 

「嘔吐」と「吐出」の違いは分かりやすく、「嘔吐」は吐く前に犬がソワソワしたりしますし、腹部が動き、いかにもこれから吐きそうな様子が見られます。それに対して「吐出」は、前兆なく突然噴出するように吐き出します。特に早食いのワンちゃんが、急いで食べている最中にむせて吐くのも「吐出」です。

 

何が怖いかというと、「嘔吐」に比べ「吐出」はなんとなく軽く見がち。というところです。「急いで食べるからだよ~」などとのんきに捉えている方も多いのではないでしょうか。

 

「吐出」の原因として、単なる早食いもありますが、食道内に異物がある、巨大食道症、食堂狭窄などの原因がある場合もあり、対策を練らないと、先に書きました「誤嚥性肺炎」をいつか起こすことになってしまいますので、結構危険なのです。

 

◆繰り返すようなら病院へ

 

「嘔吐」を繰り返す場合はもちろん、「吐出」を繰り返す場合も、獣医師に相談して、食道に異常がないかチェックしてもらう方がよいでしょう。

ちなみに、早食い“だけ”が原因であれば、早食いのワンちゃん用の食器を用意したり、容器に少しずつつぎ足しながらあげるなどの対策で対応できます。

 

「吐出」も、軽く見ないようにしてあげてくださいね。