あたたかくなってくると、外部寄生虫が活発になってきます。
外部寄生虫と言えば、ノミ、ダニ
前回はノミのお話でしたので、今度はダニのお話です。
ダニの種類
ダニはまず、屋内ダニと屋外ダニに分類されます
「屋内ダニ」は、よく「布団を干してダニを日光で殺しましょう」などと言われるときに登場する「コナダニ」が大半です。これは吸血しませんが、死骸などがアレルギーの元になります
そして「屋外ダニ」もいくつかの種類があり、犬と暮らしているとよく聞くのは「マダニ」「ヒゼンダニ」あたりでしょうか。ヒゼンダニが寄生することで発症するのが、厄介な皮膚病として知られる「疥癬」です
色々な種類があるダニですが、犬の外部寄生虫の予防でノミと並んで話題になるのは「マダニ」であることが多いので、今回はマダニの予防のお話です
これがマダニ(吸血前)です
被害
(1)血を吸われる
貧血になる可能性は低いですが、小型犬が大量寄生された場合などはあり得ます
(2)皮膚炎を起こす
唾液がアレルゲンとなりアレルギー性皮膚炎を起こします
(3)バベシアを媒介
(4)人に感染する病気を媒介
・SFTS(重症熱性血小板減少症候群) - この数年メディアでも騒がれた病気。人間では死亡例もあります 犬や猫では発症しないようです。
・ライム病 - 神経症状や関節炎。犬ではまれに元気不振などの急性症状が現れることも
・日本紅斑熱 - 発熱、発疹、最悪死に至ります 犬の発症は不明
感染のしかた
屋外で草の裏などにくっついて、犬が通りかかるのを待っています
通りかかった犬にポトリと落ち、吸血しやすい場所を探し、吸血を始めます。そして、犬の血を満腹になるまで吸いきったら、犬が屋外に出たときにポトリと落ち、消化したらまた犬に寄生する。ということを繰り返しています。
つまりノミと違って基本的に、吸血している個体さえ駆除すれば、家全体を掃除する必要はありません(大量に寄生されていた場合は話は変わってくるかもしれませんが・・・)。
吸血後はこんなに膨れ上がります
駆除(吸血前)
犬の体表をうろうろ歩いているダニを見つけたら、簡単に駆除できます
ただし卵を持っているマダニの場合潰すと卵が出てしまいます。かと言ってそこらに捨てても戻って来そうで気持ち悪いという方には、セロハンテープで封印して捨てるのがオススメです。
こうすれば密閉されるので出てくることはありませんし、卵も出ることはありません
駆除(吸血中)
吸血中のダニの駆除は容易ではありません。差し口を固めてしまうからです 下手にひっぱっても頭部だけがちぎれて残ってしまい、その部分が壊死してしまうこともあります
基本的に獣医師に取ってもらうのがベストです。何らかの理由で獣医師にすぐ連れて行けない場合は、ダニの頭部をつまんで、刺さっている真後ろに引いて取るしかありませんが、お勧めはできません。
予防
最近では色々な予防薬を動物病院で販売しています。
ノミと同様、背中に薬液を垂らすスポットタイプや、フィラリア・ダニも予防できる飲み薬もあります
ノミダニの予防薬はホームセンターでも売られていますが、動物病院にしか卸していないモノや、そもそも獣医師の処方が必要なモノ(要指示薬)もあり、一般的には動物病院で購入するもののほうが効果が高いようです。どこで購入するか、しっかり検討する必要があるかと思います。
暑い夏を快適に乗り越えるためにも、マダニの予防、きちんとしましょう