JAZZって奴は、

アルコール成分もないのに人を酔わせる作用の高い

なかなかの音楽だ。

 

音楽そのものが麻薬効果が高いのだろうか。

音楽に乗って、

忘れたはずの記憶、のみならず、感情、感覚、自分の姿を

そのまま、今ここに、連れてくる。

 

アメリカに住んでいた時、JAZZを聴く機会が多かったのだけれど、

どうもあれは、人をなんだかさみし気にさせたり、明るい気分にさせたり、

感傷的にさせたり、エモーショナルに人のココロに訴えかけてくる

なかなか一筋縄ではいかない音楽だと、今も思う。

 

夢のような時間だった、あの頃。

まるで、シガレットの煙がただようようなお気に入りのJAZZバーで

会う約束をした素敵な人を待っているような気持ち。いつでも愛の鼓動が胸に響いていた。

 

JAZZの音楽には大概、愛の物語があって、

ある時は哀しみに打ちひしがれていたり、

ある時は恋する喜びに舞い上がっていたり、

ある時は去ってしまった何かを懐かしむような、

兎に角、愛があるところにJAZZが生まれるんだ。

 

別に愛を語る気はないし、それが何なのか私にはよく分からないけれど

人同士に発生した、愛にまつわる悲喜こもごもを、そのまま、ドライに

クールに、時には突き放すようなメロディーで描く、それがJAZZ。

 

どんな辛くてみっともない恋だったしても

JAZZにしちゃえば、ダサくない。

JAZZにして、ごまかして、自分には何の乱れもなかったかのように振舞って、素知らぬふりで歩いていく。

あなたは、ただ、クールだ。

そうさせてくれるのが、JAZZ。

 

JAZZに野暮ったさや、湿っぽさは似合わない。

横たわるように転がる感情は、そのまま、JAZZYなリズムに乗せて

ポイしちゃ良い。

 

涙を拭いて、片手にバーボン。

そして、隣におしゃれな音楽を。

それだけあれば、結構、大丈夫。

 

Live in JAZZ したいもんだ。