ベッドの上で鈍く唸るスマホに

無防備な僕が

呼び出される夜はいつも突然


鈍く唸るスマホが

連れて来たのは

不安気な君の声


『今、何してるの?』


僕の前で繕っても、意味ないよ。

君のココロの揺らぎは

もう、分かってる


『お風呂入ってた』

『あ、ごめん』

『大丈夫、今出たとこだから。

どうしたの?』

『いや、何となく何してるかなって』


何気ない会話を積み重ねて

僕ら友達を続けてきたね

他愛のないコトバを並べて

話しの結論なんか出ないまま

二人だけの時間がまたひとつ増えて行く


あとひとつのコトバで完成する

ジグソーパズルみたいな恋

だけれど

最後のピースがはまるのを

確かめるのが恐いのは

君だけに見せる僕の『弱虫』


互いにかけるもコトバも眼差しも

意味なんて越えた世界に

行き着いていること、

ずっと前から気づいてる


君もそう、なんだよね?

顔を見て話しても

電話越しで話しても

同じなんだ

僕らはいつも

互いにコトバの向こう側だけを

知りたくて


『泣いてるの?』

『泣いてないよ』

『また泣いてるのかと思った』

『何よ、またバカにしたでしょ』


からかう言葉で君との時間を

引き延ばし、

嘘でも笑ってくれる君に

僕はまた、甘えてしまうんだ


あとひとつのコトバで完成する

ジグソーパズルみたいな恋

最後のピースがはまるのを

待ち続けてくれる君は

僕だけしか知らない君の『弱虫』


互いの『弱虫』を

知らないフリする二人は似た者同士だね。

でもね

二人だけの『弱虫』は

もうすぐ

いなくなる


終わりない誤魔化しのコトバの代わりに

たった二文字のコトバを

君に伝えよう

君を不安にさせてたのは

僕だったんだって、

やっと分かったから。