本日の漢字【忘】

 
 
今日の漢字は「忘」です。
 
漢字の成り立ちは、人が物陰に隠れている形と、心臓の形で「こころ」のこと。
人が隠れて見えなくなるように、心の中の記憶がなくなることで「忘れる」意味になりました。
 
 
瞑想をやりたいなら、初心を常にこころがけようってお話です。

 
私たちがよく聞く「初心わするべからず」という言葉があります。
 
世阿弥が作った能の「花鏡」の中で出てくる言葉です。
 
能には詳しくない私でも知っている言葉です。
 
 
ここでの「初心」というのは、新鮮さや純粋な気持ちを忘れないことではなくて、
慣れてきても怠慢にならない姿勢で未熟な自分を想い出す、
 
という解釈です。
 
 
瞑想でいう「初心」はまた少し考え方が違っていて、「今この瞬間」というものは二度と同じ瞬間は訪れません。
 
私たちの今この瞬間には新しい可能性があり、かけがえのない可能性に満ち溢れている、という考え方です。
 
少し視点が違うのが分かりますか?
 
世阿弥の「初心」は過去の自分を思い起こし精進すること。
瞑想の「初心」は今この瞬間は初めて経験しているものだと認識すること。
 
 
瞑想は過去も未来もなく、その瞬間だけなのです。
 
その瞬間に注意集中して生きていると、毎日顔を合わせている家族でも、新しい発見だらけです。
 
 
 
定年後のご夫婦は積極的に瞑想を取り入れるべきだと思っています。
 
どれほど、自分が思い込んでいたのかは、「相手」がいなくなってから気がつくことが多いものです。
 
どんなことでも全く同じ瞬間というものは存在しません。
 
毎日の生活の中で、初心を体験する練習をしてみて下さい。
 
長年見てきたものを、一点の曇りのない心で見るのがどれほど難しいか分かります。
 
だから、練習をするのです。
今という瞬間の豊かさを感じる練習をするのです。
 
今一度、ものごとを「色眼鏡」で見ていないか。
 

 
 それでは、このへんで。