本日の漢字【衣】

こんにちは。いぬとび心の書道教室です。
 
本日の漢字は「衣」です。
 
漢字の成り立ちは、着物の衿の形で「ころも・着物」の意味になりました。
 
衣替えの時期になりましたね。
 
我が家は、娘3人なので衣替えも賑やかです。
私は母親になってから、衣替えが好きです。
 
衣替えは母として子供の成長をとても実感できる作業で、小さくなった子供の服をみて時折切ないような、嬉しいような。
この複雑な愛すべき感情が湧いてくる貴重な時間です。
 
子供の成長は、あっという間ですね。
 
世の中には、たくさんの洋服があります。
 
これまで私たちはたくさんの洋服と出会い、その中からたくさん選択をしてお気に入りの物を我が家へ迎えてきました。
 
今日は、洋服の選択のお話です。
 

 

 流行りの服の行方

お店に並んでいるたくさんの洋服たち。

 

我が家は洋服店を営んでいるのですが、私もたまに洋服の仕入れに行くことがあります。

 

 

毎年多くの流行を取り入れ、季節が変わるたびに店内の洋服も入れ替えられます。

 

毎年変わる流行りの色と、流行りのデザイン。

それに合わせて多くのお店が競うように洋服をならべて。

 

昨年流行った洋服は見向きもされず、店から姿を消す。

 

で、思いませんか?

 

「どこに…?」

 

実は、そのほとんどがリサイクルや中古で販売されることなく捨てられているのです。

 

日本では約6割の服が売れ残ります。

 

そのほとんどが捨てられている。

 

中古販売やリサイクルをするのにはコストがかかります。

そのため「捨てない」選択をすれば洋服の値段が上がってしまいます。

 

人件費が安い海外で、新しく作った方が安く提供できるのです。

 

まさに人間の欲が作ったゴミ。

 

流行を追い求める人たち。

 

流行を餌に洋服を大量生産する業者。

 

ゴミを増やし続ける現代。

 

こうやって私たちは大事なものを失いながら、偽物の世界を作り上げているのです。

 

 

 

 流行りの色

さらに言えば、流行の色です。

 

ファッションの流行の色は毎年ありますよね?

いわゆるトレンドカラーです。

 

今年2023年のトレンドカラーは「ルミナスイエロー」です。

 

またルミナスイエロー以外にも何色かあります。

さらに秋冬も色が変わってきます。

 

実はこの流行色というのは、国際流行色委員会と呼ばれる組織によって2年前に決められています。

 

みんなが着ているから流行っているのではなく、事前に決められた色を「流行らせている」ということです。

 

 

面白いですよね。

 

なんだかずいぶんなお膳立てのある世の中です。

 

 

 

 

 選ぶ目

仕事柄、私たちお店側も流行りのデザインや、流行りの色を追いかけます。

 

それが「ビジネス」だからです。

 

みんなが選んでいる、みんなが着ていることが安心できる人が、日本を多く占めています。

 

日本には「無難」を求める人が多い。

 

それが、楽だし安全だと思えるからです。

 

お客様を見て思うのですが、店内に入ってきたときには自分の好きな服から手に取るのですが、そのうちに店内に並んでいる他の服を見て、「あれ、このデザイン知らない」となり、自分の選択が不安になってきます。

 

流行の服を着て「おしゃれに思われたい」というよりは「仲間はずれになりたくない」といった心理がでてくるようです。

 

 

お客様には伝えます。

「直感で好きな服があなたらしいお洋服です。」

 

個性があるから面白い。

 

誰かに選んでもらった色を、何も考えずに毎年着るよりは、自分の色を見つけ貫き通す生き方の方が私は大好きです。

 

洋服はあなたの好きを表現する舞台。もちろん主役はあなたです。

 
 
履いて捨てられる洋服たち。
 
でもあなたのために産まれてきてた洋服が必ずあります。
 
誰かの意思なんてそこには必要ありません。
あなたが見つけてあげてください。
 
そんな洋服に出会えることを祈っています。

 

 

それでは、このへんで。