そろそろくるよ、「うつわ」ブーム | A View of dogbutt

そろそろくるよ、「うつわ」ブーム

数年前からCasa BRUTUSやESQUIREでは何度か特集が組まれていたけど、
「うつわ」ブームがいよいよ本格化しそうな気配。
ファッションでもデザインでも、いまの気分は均質的でフラットでデジタルなものから、
アナログで手触りのあるハンドクラフトな風合いのものに大きくシフトしているわけで、
「うつわ」が注目を集めつつあるのも、当然これとシンクロして起きている動きです。
ここにいううつわは工場の名もない職工ではなく個人がつくったものであり、
なおかつ手作業ゆえにひとつひとつ微妙に違うもの、というのも流行のポイントです。
乱暴にまとめちゃうと、アンチ・マーケティング的というか、
産業化されていないブランド、とでもいうのか。

さらにいえば、日経あたりでも「巣ごもり消費」なんて言われるけれど、
消費のスタイルもこれまで長い間続いてきた
他者の視線を意識した「消費での自己実現(ヴィトン的)欲求」から
「自己充足的(ヨガ的)欲求」へと変わってきていて、
つまりは家で料理して気に入ったうつわに盛って食べる、というのはとても今っぽい活動なわけで、
うつわに興味を持つ人が増えたのは、ある意味必然なわけです。
今月号はクウネルもエルデコも「うつわ」特集。

ku:nel (クウネル) 2009年 05月号 [雑誌]
¥680
Amazon.co.jp
ELLE DECO (エル・デコ) 2009年 04月号 [雑誌]
¥1,350
Amazon.co.jp
最初はジジイみたいでかなり抵抗あったんだけど、
実際うつわを買うようになってみると、けっこう趣味として楽しめるんだよ。
安いものなら作家ものが2000円くらいで買えて、(リーズナブル)
基本的には期間限定の個展でしか手に入らないからタイミングを逃すと入手困難で(コレクション性)、
人気作家のものは個展初日で完売しちゃったりして(希少性)、
マニアックにこだわろうと思えば土やら釉薬やら無数のバリエーションがあって(うんちく性)、
ひとつひとつ表情が微妙に違ってて(ワンオフ)…、と
人気が出そうな要素は特盛り。
おまけに上に書いたように時代の追い風も吹いているから、
クウネルやエルデコよりもっとメジャーな媒体で、きちんと考えた「うつわ」特集組めば、
きっと完売号つくれるし、うつわブームに火がつくと思うんだよね。
(流行ってしまうことの弊害は否定できないけど…)
先日、六本木ミッドタウンの21_21DESIGN SIGHTのうつわ展 に行ったら、
たまたまっだたのかなあ、かなり人が入っててけっこう驚きました。
オーバーグラウンド浮上、一歩前な雰囲気なんです。
(「ルーシー・リィー」が正式表記なんですかね、「ルーシー・リー」じゃなくて?
「リィー」って日本語表記としておかしくね?)

残念なことに、最近のうつわシーンを網羅的にきちんとフォローした雑誌は
自分の知る限りまだつくられてなくて、オールドスクールな魯山人的な骨董中心だったり、
新しいものを扱っていても、取り上げる作家が偏っていたり、
メディア側でも視点が定まったあまり人がいないのが残念なところ。
いまのところ、うつわのことを知るならうつわノート という個人の方のブログがおすすめです。
(ここ数年出たうつわ系の特集の中では、完売になってしまったBRUTUSの2005年に出た
「濱田庄司」特集が個人的には断トツでベストでした)

そういえば、昨秋、陶器市の時期にはじめて益子に行ったんだけど、
陶器・磁器だけじゃなくて、ヘンプのアクセサリーとかガラス細工とかを制作している
アーシーな雰囲気の若手作家が益子にはいつの間にか大勢移り住んでるみたいで、
屋台でもやきそばとかじゃなくて豆のカレーなんかが売られてたり、
たまにガンジャ臭まで漂ってきたりして、
何年か前遊びに行ったことのあるオレゴンのヒッピーコミューンみたいな雰囲気で、
日本でもこんな場所があるんだ、とかなり驚きましたよ。すごく不思議な場所だった。