「女装する女」:メディアがアラフォーを持ち上げる理由
前著「クラブカルチャー
」が自分的には腑に落ちすぎてヒットだった
湯山玲子 女史の「女装する女 」。
最近めだっている女のライフスタイルを10種類に類型化し、
それぞれのトライブの行動原理と、彼女たちの行動の源になっている時代背景を探る、という本。
(もちろん人によっては複数のトライブに属することもアリ)
ライフスタイルを駆動する時代背景までさかのぼって解説しているという部分が
「クラブカルチャー」にも通じる湯山さんの秀逸なところで、
それがなければ「ああ、こんな人いるよね!」で終わってしまうはずのところが、
女性の生き様を通して、いまの社会が透けて見れるところがなんとも味わい深い。
ここ最近、女性のライフスタイル周辺の環境は急速に悪化していて、
その多くは「男がいない問題」(=まともな男は全員結婚済みで、残りものに福は絶対ない)
に起因するものなわけだが、(この問題を最初に世に広めたのは酒井順子「負け犬の遠吠え」 )
さまざまなビジネスやテクニックがここ数年の間に開発されてきたことがよくわかる。
ネイル、ヨガ、ロハス、昭和、フィットネス、占い…。
まだ手当をされていない欲望のあるところにビジネスの種はあるわけで、
カネを使う気満々のアラサー、アラフォー世代の望むことは企業にとってもビジネスチャンスになる。
だから、40代独身女性が「ああ、こんなモノがあったらなあ」と仕事帰りにぼんやり考えていると、
その念じたサービスや商品は打ち出の小槌のように実現される、という仕組みができている。
メディアがアホみたいにアラフォーを持ち上げる理由はここにある。
この本に書かれる女性の姿は実際のところどうなのか、その妥当性は男の自分には正直判断できない。
取り上げられているいくつかのライフスタイルやその背景は、
あくまで湯山周辺で観察されたニッチな特殊事情なのかもしれない。
でも少なくとも、最近の女の人はこんなかんじなのね、とわかった気にはなれる。
BtoCのマーケティングに関係する仕事をしている人にとっては、
たぶん必読と言っていい一冊だと思う。新書だし。
湯山さんの本を読むと、女の人の鋭くてなまなましい対人的観察眼に恐れおののき、
大抵の男はかなわないだろうな、とため息が出る。
湯山玲子 女史の「女装する女 」。
- 女装する女 (新潮新書)/湯山 玲子
- ¥735
- Amazon.co.jp
最近めだっている女のライフスタイルを10種類に類型化し、
それぞれのトライブの行動原理と、彼女たちの行動の源になっている時代背景を探る、という本。
(もちろん人によっては複数のトライブに属することもアリ)
ライフスタイルを駆動する時代背景までさかのぼって解説しているという部分が
「クラブカルチャー」にも通じる湯山さんの秀逸なところで、
それがなければ「ああ、こんな人いるよね!」で終わってしまうはずのところが、
女性の生き様を通して、いまの社会が透けて見れるところがなんとも味わい深い。
ここ最近、女性のライフスタイル周辺の環境は急速に悪化していて、
その多くは「男がいない問題」(=まともな男は全員結婚済みで、残りものに福は絶対ない)
に起因するものなわけだが、(この問題を最初に世に広めたのは酒井順子「負け犬の遠吠え」 )
- 負け犬の遠吠え (講談社文庫)/酒井 順子
- ¥600
- Amazon.co.jp
さまざまなビジネスやテクニックがここ数年の間に開発されてきたことがよくわかる。
ネイル、ヨガ、ロハス、昭和、フィットネス、占い…。
まだ手当をされていない欲望のあるところにビジネスの種はあるわけで、
カネを使う気満々のアラサー、アラフォー世代の望むことは企業にとってもビジネスチャンスになる。
だから、40代独身女性が「ああ、こんなモノがあったらなあ」と仕事帰りにぼんやり考えていると、
その念じたサービスや商品は打ち出の小槌のように実現される、という仕組みができている。
メディアがアホみたいにアラフォーを持ち上げる理由はここにある。
この本に書かれる女性の姿は実際のところどうなのか、その妥当性は男の自分には正直判断できない。
取り上げられているいくつかのライフスタイルやその背景は、
あくまで湯山周辺で観察されたニッチな特殊事情なのかもしれない。
でも少なくとも、最近の女の人はこんなかんじなのね、とわかった気にはなれる。
BtoCのマーケティングに関係する仕事をしている人にとっては、
たぶん必読と言っていい一冊だと思う。新書だし。
湯山さんの本を読むと、女の人の鋭くてなまなましい対人的観察眼に恐れおののき、
大抵の男はかなわないだろうな、とため息が出る。