ティム・ウォーカー :写真家の仕事 | A View of dogbutt

ティム・ウォーカー :写真家の仕事

タワーブックスで、久しぶりにとても驚愕の写真集を見つけたのだが、
残念ながら高すぎて手が出ない…。

Tim Walkerの"Pictures"


ティム・ウォーカーは圧倒的なヴィジュアル構築力を持ったフォトグラファーで、
この手の同業の中では、ちょっと群を抜いている実力者。
同業者以外にはなかなか知られていないことだけど、
欧米のフォトグラファーは、往々にして”アートディレクター”的な役割を果たす人が多い。

つまり、製作するビジュアルの世界観やテクスチャーを考え、
そのイメージにあったモデル、ロケーション、スタッフ、小道具などを集め(させ)、
イメージを最適に表現するための構図を考え、機材・フィルムを選んでシャッターを押し、
現像/画像処理を行う、という一連の仕事を統べるのが仕事なわけだ。
映画では監督の役割にあたる仕事で、
イメージとしてはデヴィッド・リンチとかティム・バートンに近い。
(ちなみに日本ではファッション撮影の現場では、このディレクション部分はスタイリストが担うケースが多い。
その場合、フォトグラファーはスタイリストの考えたイメージを再現する下請けになる)

ようは、巷で考えられている「モデルの最高の表情を云々…」というのは、
ファッション系フォトグラファーの仕事の、ある一部でしかない(場合が多い)

ティムさんのすごいところは、イメージを考えだす創造力はもちろんだけど、
細部まで決して妥協せずに、どんなにカネがかかってクライアントが激怒しようとも(これは想像だけど)、
自分の構想どおりのイメージを実現してしまうこと。

奇妙なファンタジーがぐちゃぐちゃに詰まったティムの作風・世界観には、
おそらく好き嫌いはあると思うけど、
ここまで途方もないことを考え、それを実現させてしまう
わがままスーパースターは他にはいないはず。たぶん。

ぼくは個人的には、「リアル」がばっちり写ったドキュメンタリー写真のほうが
ぜんぜん好みなんだけど、この写真集は高いけどほしいなあ。
毎日ぱらぱら眺めてるうちに、気がついたらニューロンが組み変わってそうな気がするから。