当面の不況への備え
不況への根本的な備え
I マクロ経済の大津波に根本対策は未だない
1991年のソ連崩壊で勝ち残った資本主義は、米帝国の覇権色を強め、金融資本主義へ進んだ後、ブッシュ失政により軍事力の絶対優位を揺るがせ、同時にドル信認に揺らぎを招いている。
経済危機はリーマンブラザーズ破綻という金融恐慌で幕を開けた。その後BIG3破綻にみるような雇用不安を招き、米政府の財政破綻を更に加速させようとしている。
津波は大きい。
信用不安は株価を直撃し、消費マインドを凍らせ、更に雇用不安、国民生活の不安に及ぶ。いやあ大変だあ。交感神経が高ぶり身体不調も起きようというものである。
イライラによる身体不調には交感神経ブロックが良い。高圧酸素療法で血中酸素を7倍にすると尚良しで、対処できる。しかし経済恐慌は急には治らない。治療方針も定かではない。
Ⅱ マクロ経済でのアメリカ金融資本主義の行く末
余計なお世話であるが、米国民は税金で上記Iの破綻した財政赤字のツケを税金で払っていくことになる。ドルを刷って赤字を帳消しする手もある。しかし1971年のドルの金兌換停止から40年、今回はドル暴落の危機にさらされる。
マクロ的には米国民は過剰消費で借金を膨らませながら、世界の景気を支えてきた。軍事力とドル信認ゆえの技である。しかしベトナム戦争、イラク戦争で大きく傷つき、今またアフガン戦争を戦おうとしている。壮年男子は皆タリバンのアフガン。
その事実を米政府は理解していないという。ソ連の以前の敗北を学習していない。イラクも大量破壊兵器があると判断した。石油利権を狙った口実に決まっていたが、その証拠すらなかったお粗末。誤情報などとノンキな話ではなかろうに…。
軍事の失敗、FRBの失敗、次に経済界の失敗BIG3を救えば、モラルハザードを引起す。すると、やむを得ないのに行政の失敗として、オバマは無能呼ばわりされる。起死回生は金融業に替わる新産業の模索と育成。米国は必ずこれをやる。しかし最低5年は掛かる。
Ⅲ ミクロ的に私共はどうしよう?
困ったものである。零細企業は今後、少なくとも1~2年は食いつながなければ生きていけない。
米国の財政赤字、ドル信認の問題から、日本経済は今までどおりの規模や業態での輸出は今後5~10年は見込めない。
政府には益々内需に舵を切って欲しいところであるが、なかなか困難のようである。世界的にみても、日本の輸出はGDPの15%ほどを占めるに過ぎないという話もある。
今回の影響を受ける零細小企業は、何をどうすれば良いか?
それはまず、米国民と同じく今後は物欲を捨て、貧乏でも満足する幸せを見出すのが良いと思う。些か宗教じみた話である。しかし物欲を追う生活は、日本人もニート族などの価値観に観るように、もう若い人を中心にくたびれたと感じる人々が増えているのではないだろうか?
そう考えると、今後の零細企業経営の理念として普通の庶民生活への回帰が一番とも思える。私もそういう方向を模索してみようと思う。
平成20年12月5日 税理士・堂上孝生