
もう戻ることのない職場。
異動の辞令が出たら、もう顔を合わせることもないままに新しい職場に復職するはずだった。
上司も異動となり歓送迎会の案内メールを受けたが、宴会の数時間を考えたら、また精神的に参ってしまう。無理だと思い、一旦欠席したいと返信した。
それでも迷いがあった。
このまま黙って去ってしまっていいのだろうか?
着るかどうかわからないスーツを車に積んで、朝からほかの用事を済ませた。
いつでも行けるように会場を確認して近くに向かいながらも夕方になってもまだ迷っていたが、最後は顔を出すことにした。
その旨伝えるメールを送信したら思いきりがついた。
宴会の終わり方、少しだけ時間をもらって挨拶させてもらえた。
顔を合わせて短時間でも一言、二言交わすことができて、本当によかった。
みんな温かかった。
迷ったけども、元気になった顔を見せて、みんなの元気な顔を見ることができて本当によかった。
ひとつ、つかえていたものがとれた気がする。
今日は特別な日になった。