『THE KID V. THE MAN』Newsweek April 4,2005
Like it or not
とある問題についての情報を集める時、情報の鮮度もさることながら、
カウンターバランスをとることは重要なことである。例えばあなたの友達が
彼女と上手くいってないとして、その友達の話を聞いただけではどちらが悪
いとは(友達になんと言うかは別として)判断がつかないだろう。
一番危険なのは、何かの問題に取り組むときに「好きか、嫌いか」の観点
で提供される情報にさらされ続けてしまうことだ。こういった類の媒体から提
供される情報は、事実はともかく出発点に合うように論拠が集められてしまう
為、結果としては正しい現実認識から遠ざかってしまうことが多い。
さて、こういう前提を踏まえて、下火になりつつあるライブドアの買収につい
て考えてみようか。かの買収について考える際の根本的な疑問は、「好むと好
まざるとに関らず、そもそも何が問題なのか?」という事である。
残念ながら、この手の疑問について日本のTVは役を果たしてはくれない。
劇場型買収とはよく言ったモンで、完全にドラマとして面白い部分のみを報じ
ようとする彼らの情報からは、現状の問題点が分からないからだ。
So why all the fuss?
―――本文より
「日本のマスメディアが冷静に見れないなら、海外から」という訳で今回は
数ある海外メディアからニューズウィークがどうこの問題を報じているかをご
紹介しよう(英語以外は読めないので英字メディア以外は読んでないです。
すいません)。
これは何もニューズウィークに限った話ではないが、海外メディアの論調
としては「そもそも何故にこんなに騒ぐのか?」という感じが多い。まぁ、敵対
的買収が珍しくない世界の住人には奇異に移るだろうし、法律的に許されて
いる事をライブドアはやっているわけだから。
この問題に関しては、記事中の経済産業省の日下部氏の発言が印象深い。
曰く、「問題は、日本には企業買収もしくはそれに対する防衛策に関して、何が
フェアかというコンセンサスがないことだ」。これを考えるに、今するべきは「想
定内」という言葉を流行らせることではなくて、アメリカの証券取引委員会のカ
ウンターパートが日本に必要であるかを真剣に議論することであるという事が
分かる。
We've never advised a single foreign company to go hostile---never,not one.
――― ニコラスべネス(JTP corp.の買収/合併の専門家)
もうひとつ、「開国後」のハゲタカ警戒に関してもNSは疑問を呈する。そもそも、
日本企業が外国企業に買収されることに対して、何故問題なのかということに対
する答え(放送業への答えを除いて)は日本のどこにも用意されていない。新生
銀行や、日産の例に対する答えが「感情的なものです」ではさすがに誰も納得で
きないだろう。
そして最後に。いろいろに皮肉な点を挙げた後に最大の皮肉として、「ソフトバ
ンクがホワイトナイト扱いされていること」を挙げている。そりゃそうだろう、私だっ
て何故ライブドアがダメでソフトバンクならOKなのか理由が知りたい。
が、その点に突っ込んだ質問をフジにぶつける報道はなされていない。
別に私は良くある「欧米では」という観点から日本がダメだと言いたいわけでは
ない。ただ、加熱しきった視点から一回離れて、「一体何が問題で、何が必要か」
を考えませんか?と言いたかったのです。