さて、記念すべき1種目である。

ヨーロピアンチャブ (Squalius cephalus)
·分類:条鰭綱コイ目コイ科ウグイ亜科Squalius属
·体長:通常30〜50cm程度、最大70cmほど
·生息域:ウラル山脈以西のロシア、イランやトルコ東部など西アジアの一部、イングランドやスカンディナヴィア半島南部を含むヨーロッパ各地(イタリア半島、イベリア半島、ギリシアなどを除く)
·ドイツ語名:Döbel,Aitel
·英名:Chub,Europeanchub


 ヨーロッパなどに広く棲息するウグイの仲間である。ウグイ亜科魚類としてはそこそこ大きくなる方であろう。ウグイの仲間らしく生息域が広いだけでなく適応力も高いようで、渓流から湖沼、市街地の運河、汽水まで様々な環境に見られ、ヨーロッパでは最もありふれた淡水魚の1つである。

 導入当初。2019年9月にドイツ便で輸入された7,8cm程度の幼魚。このくらいの幼魚はカワムツの幼魚だとかヒナモロコに似ていてまことにかわいらしい。生息地ではありふれた魚ながら観賞魚としての日本での流通は非常に少ない。まあ地味で万人受けしないだろうからね。仕方ないね。


 成長速度は早くもなければ遅くもなくまあ普通(コイ科比)かと。飼育法も日本のウグイに概ね準じる。ただね…


 そう、かなり肉食性が強く、おまけに口が大きくて食い意地も張っているのである。悪食でもある。11cmくらいの個体がいる水槽に7,8cm程度のチュウガタスジシマドジョウをまさか喰われまいと思って混泳させたところ、執拗に追い回した挙げ句丸呑みにしてしまった。幾ら細長いとはいえ自分の2/3余りもある魚を食べてしまうのである。
 当然ルアーやフライにもよく反応するのでヨーロッパでは釣り魚としても親しまれている。

 コイ科である以上これはある程度予想がつくが、水草もご覧の通りである。琵琶湖へハス釣りに行った折に拾ってきたヒロハノエビモを植えたらものの数時間で丸坊主に。

 また、好奇心も非常に強いので流木の切れ端でもなんでも取り敢えず咥えてみる。幼児かよ。


 余談ながらSqualius属は本種以外にも実に50種ほども記載されており、特にギリシアや旧ユーゴスラビア、中東などには地味ながら魅力的な種が多く生息している。また、イタリア半島に生息する S.squalus などはガンメタの体色がとても渋格好良い。これらが観賞魚として流通することはないであろうが、いつかは現地でその姿を目にしてみたいものだ。

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