エンジンの吸気・燃料噴射関連の汚れについて触れたレポートは数多くあるので、さほど興味をいただく事が少ないのか、この話題になった途端に、アクセス数が激減しています。 別にアクセス数を気にしたことは無かったのですが、一気に3割ほど減ると興味をいただけない話題だったかと若干考えさせられます。 勿論この話はディーゼルに関してでh無いので、そのためかもしれませんけど、現状ガソリン車の方が市場には多くあるので引き続きエンジン内部の汚れに関してです。
さて、エンジンの燃焼室の汚れといっても、多くの方はあまりピンとくる内容ではないと思います。 何故なら、非常に高温ね燃焼する燃焼室は、たとえ汚れてもエンジンを元気良く回してやれば、カーボンなんて吹き飛んでしまうと思われている方が多いし、自動車評論家ですら、たまには元気良くエンジンを回してカーボンを吹き飛ばせばエンジンは調子よくなるといったコメントを多く見かけるからです。 ところが、実際にレースを行って後にエンジンを分解してみると、結構ピストン上面には、硬いカーボン層ができていることが多々あります。 高温で燃焼しているのに何故って事になりますが、エンジンの汚れは全てガソリンから来るとは限らないのです。 実際問題多くの研究部門でエンジン内部の汚れの成分を分析し、その原因を突き止めようとしていますが、エンジン型式や運転方法によって、全てが同じ状況ではないのです。 ガソリン内部の汚れは、ガソリンの成分以外にエンジンオイルが気化したもの、PCVから霧状になって吸気に混ざるエンジンオイルオイル下がり・オイル上がりなど多くの要因で汚れが発生しています。 この分析には、オイルに含まれる金属類(Zn,やCa等)の成分を調べたり、芳香族成分の分析などを調べて調査しています。 つまりガソリンの燃えにくい成分や、エンジンオイルから来るものが僅かずつ堆積してできて来るため、非常に硬く強固に金属表面に固着している為、手で擦ったぐらいでは取ることすらできません。 また、エンジンを元気に回しても、回せば回すほど理論空燃費か外れるため、十分な酸素が無いので燃焼して吹き飛ぶことは無いのです。
この様な、硬いデポジットの場合には、どのような不具合が出るのでしょうか? この様なデポジットは断熱効果(熱が逃げていかない)為に、圧縮工程で加熱する空気の熱が逃げにくくなります。 同時にカーボンの厚み(体積)分圧縮比もごく僅かですがアップする為に、同じオクタン価のガソリンでは、ノッキングを起こしやすくなります。 またウォールガイデッドタイプの直噴ガソリンエンジンでは、噴射された燃料が、ちょうどピストン上部のカーボンに吸着し設計通りに気化してくれないために、燃焼が乱れがちになってしまいます。 結果として、
1.加速しようとするとエンジンがカリカリ音を出す。
2.レギュラーだと力不足を感じる。(エンジンがノッキングを感知して、進角を遅らせる為に生じます。)
3.直噴エンジンでは、アイドリング不調・加速のもたつき等が発生します。
4.燃費が悪化します。 点火時期の進角が遅れるとエンジンの効率が下がる。
5.排気ガス中のCO、HCが増加する。(加速時に著しい)
つまり、エンジンの汚れによってCO2の増加=燃費悪化、排気ガスの有害成分の増加が起こります。
でも、エンジンを回すと調子良くなるんだから、回せばカーボンは絶対に落ちると信じている方への説明として、
「プラグの温度が上昇し、プラグの電極の碍子近くは確かに、きれいになるため、スパークが飛びやすくなる事が理由
だといえます。 街中ばかり走っていると、プラグは若干かぶり気味になり、これをちょうど良い状態にすると元気にエンジンを回した時に、焼け気味になってしまいます。 ワイドレンジと言ってもやはり回しすぎてプラグが損傷を起こしてはいけませんから、どうしてもエコランばかりやっていれば、或いは、大型のエンジンでチョイ乗りばかりではプラグは汚れてきます。 これを吹き飛ばす程度のことはできても、エンジンのヘッド・ピストン上面まではどんなにがんばってもそれほど高温にならないので、回してもきれいにはならないのです。
でもこれとは全く異なるCCDが予想をしなかったエンジン不具合が発生した事例が2種類存在します。 一つは、スキッシュエリアピストン上死点でのピストン上面円周部との隙間が大きいと、ここに溜まった混合気は、燃焼し辛くなり、燃費と排ガスに影響を及ぼします。 このため、エンジンの精度を追求していたメーカー(特にH社、M車等)のエンジンが、コールドスタートの時だけピストンがシリンダーを叩くようなカンカンという音を発して問題になったことがあります。 これは、米国のある特定の地域で頻繁に起こり、原因が追究されました。 原因は、EPAの指導によるガソリン清浄剤の添加義務により、非常に安い添加剤がCCDを増加させCCDの厚みがこのスキッシュエリアのギャップより厚く堆積すると、エンジンが冷えている時には、ピストンが上死点に到達する寸前にぶつかりピストンが傾いてピストンスカートがシリンダー壁をたたき音が出ていることが判りました。 しかし、エンジンが温まると、金属は膨張して、ギャップが広がると音は止まる為、非常に原因がつかめなかったわけです。 水平対抗のエンジンだとCCDの厚みがどうしても偏り気味に下部が暑くなるからでしょうか、ピストン・スカートを短く設計されているのは、このことから考え出されたものだとおもいます。
ちょっと説明が長くなったので、CCDが起因する、エンジンスタート不能の不思議なメカニズムは次回にします。