最近話題のディーゼルですが、高校の物理まで戻っての着火理論をご存知ですか。 そんなんの当たり前!って? 空気を圧縮した中に燃料を噴射して自然発火させるんだろって事なんですが? なんで自然着火できるんでしょうか? 多くの方はご存知でしょうが高校の物理程度の知識として是非もう一度考えてください。


物理用語で言うと、ピストンが下がって吸気を行った後、ピストンが上昇し空気を圧縮する時の状態を断熱圧縮と言います。 実際にはシリンダーやヘッド・ピストン等から熱が逃げてしまいますが、急激に圧縮すると外部に熱が逃げずに圧縮された空気の温度が上昇します。 では何故温度が上昇するのか? 簡単に言えば、 物体の分子は運動していて気体の分子は、絶えず飛び回っています。 これが通常気体の圧力となって現れます。 自転車の空気入れや注射器に空気を入れて先端を塞ぎピストンを押すとスプリングのように押し返してくるのは、押す力が分子に伝わり分子がより大きなエネルギーを得て押された分押し返してくるのです。 より簡単に言えば、満員電車に乗ろうとすると、押し返してくるのと同じように、ピストンを押すと飛び回っていた分子が押されてより早く飛びまわり、これが反発力になって押された分押し返してくるのです。 ところが急激にピストンを押すと分子同士がぶつかり合って押された分のエネルギーは分子の運動エネルギーに全て変換できずに熱に変わり、圧縮した空気の温度が上昇します。 これが気体を急激に圧縮すると温度が上昇する理由です。 一般にはこの様な圧縮で温度は250℃以上にも上昇します。 軽油の引火点は50~70℃、沸点が150~350℃、そして発火点は、250~260℃ですから、細かな霧になっていれば圧縮された空気の中で自然に燃え始めるのです。 ただし、いくら急激に圧縮してもスタート時にはシリンダーやピストン・ピストンヘッドは冷えているので熱が逃げてしまい、上手く始動できない。 そこでエンジンの中にグロープラグと言う電気で加熱した突起部が燃料噴射ノズルの吹き出し口の近くに取り付けられていて、昔は電熱ヒーターだったので、エンジンをかける前に電気を通し十分に熱くなってからエンジンをスタートさせる構造でした。 今は、セラミックヒーターなのでものの1秒もかからず厚くなるのでガソリン車と同じようにスタートできるのですが昔は結構儀式的なものを感じたものです。

 では、ガソリンなんかは引火点が-40℃ぐらいなので引火しやすく軽油より良いように感じますが、発火点(その温度で酸素が回りにあると自然に火が着く温度)は逆に300℃ぐらいなのでより高い温度にしてやらないといけません。 でも構造を工夫したり添加剤などで発火温度を下げてやれば、ディーゼル燃料としても使用できる(ただし、現行のエンジンでは運転性や補記類などに無理がかかります。) つまり燃えるもの(自然発火するもの)は全て燃料にできる可能性があるのです。 だから食用油なども燃料になる。 


bhdi  プジョーの場合HDiこれがディーゼルの証。特別意味はありません。

 これがディーゼルエンジンの仕組みの基礎なんです。 耐圧ガラスで作ったガラス管にピストンを取り付けたものの中に、例えばやわらかい紙(ティッシュー等)を入れておき、ピストンを急激に押すと一気に中の空気の温度が上昇しその温度が発火点を超えるとまるで火薬のようにパッと引火し燃えてしまいます。 実際にこの実験をお見せしたいのですが、残念ながら一部の高校や大学などにしかこのピストンは無いのでお見せできないのが、残念です。


説明不足や文章の悪さもありますが、ディーゼルエンジンの仕組みを理解し、その可能性の高さが少しでも伝わればうれしいです。


最新のマルチ噴射についても近く触れてみます。 多くの方はすでに十分な知識があり何だって内容かもしれませんが、少しでも多くの人にディーゼルについて知って欲しいと考えて、基礎的なことも触れてみようと思います。 勿論、自動車メーカーや大学の教授さんほどの知識は無いので、間違いを見つけたら遠慮なくコメントください。