以前からお約束のNOx分析計のお話です。
昨年実車試験車両を導入する段階で、ある条件をつけて導入しています。 一部は、会社のホームページに書いていますが、それ以外には、PMの排出は極力少ない車両というのがあります。 これは何度も触れているようにその有毒性にあるのは言うまでもありません。 また、同時にCO2の発生=燃費も重要項目でした。 ではNOxは?と言うと、あまりその毒性に触れていないので、無視しているように思われがちですが、決してそんなことはありません。 NOxも低い方が良いに決まってます。 ただ、持論として優先順位があるだけの話です。 (NOxの有害性(あえて有毒性とは別の意味として)近く触れてみようかと思います。)
さて、欧州のサイトで、市販乗用車の燃料消費から排気ガス規制届出値を全て見ることが出来ます。 実際にその数値を基に実車試験車両は選択しました。 その数値を見て判る事は、PSAの排ガス制御は何処よりも優れている事(ただし、もっと低い値を出せるのに出さないでいるメーカーも在るにはあります。)。 そしてPMは、既に0.001g/Kg前後まで低減できる既存の技術が存在し、排気のきれいな車を、購入者は独自の判断で選べる時代に入っています。 このPMの低減にはDPFの性能がそのまま出てきます。 つまり、Euro4の数値と新長期規制で比べても大きく差が無いのが特徴で、酸化触媒型DPFより酸化触媒+専用DPFの方が、より低い値を示している傾向があります。 現在測定限界以下、つまり0.0004g/Km以下の数値を出す車種もEuro4では見られます。 307HDi136はEuro4では、0.001g/Kmで新長期規制の実測では0.0009g/Kmという非常に少なくEuro4と新長期規制との差が殆ど無いといえる結果が得られています。 酸化触媒+DPFの場合、両運転モードの程度の差では、殆ど差が出ないと判断しています。 酸化触媒一体型DPFの場合はまだ良く分かりません。 多分0.001程度の数値は出せるのに、このシステムを使った車両の多くは一桁多い数値のPMを排出しています。 どのシステムを使用するかは別にして、十分0.001g/Km程度の数値は達成可能な技術的は確立されています。 だからPM排出量が0.005g/km以上の車両はもっと努力してほしいと思います。 規制値さえまんぞくっ競れば良いと言う時代は昔の話です。
これに対し、NOxの数値は、運転モードにより大きく変化します。 現在Euro4で最も少ない車両を見ると、
C5の2.0HDi 6MT 0.126g/Km PM0.001
RAV4 2.2D-4D 6MT 0.130g/Km PM0.003
MAZDA3 1.6TD 5MT 0.135g/Km PM0.001
Civic 2.2i-CDiが これに続いていますが、PMは0.010g/Kmなのは比較的新しい車両でありながら、感心できない数値です。 せめて0.005程度でなくては。
ところで、NOxがEuro4でどの程度なら、新長期規制を通せるかといえば、この3台は、ほぼ確実だと思います。 でも何でC5は車重が307HDi136よりあるのに、何故307HDi136より低いのでしょうか? 307はNOxが0.163なんです。 それにははっきりと理由があります。 この点は別途説明することにしましょう。 もったいぶる訳ではありませんが、これこそ新車開発で、新長期規制達成の極意につながる事です。 よく調べれば、メーカーの方ならすぐわかります。 でもポスト新長期規制は、既存の技術ではかなりNOxを下げることは難しい。 この点は、MBさんは、よく理解して居られるようです。
さて、新長期規制では、Euro4を満足していてもさらにNOxを下げないとクリアできません。 その為の早道は、日本の運転モードとの違いを理解し、NOxを測定して車の排気ガス特性を見直して対策するしかありません。 つまりNOxを測定しなければ、どうにもなりません。 ところが車の排ガスのNOxを精度良く測定する場合、測定器も大きくまた、かなり高価な物が自動車メーカーでは使われています。 シャーシーダイナモ等の設備があれば、当然それが理想です。 でも自動車メーカーや部品メーカーとは違い、そんな設備を持つお金もありません。 それに今回導入したNOx-A/FAnalyzerは、新長期規制をパスさせる為に導入したわけではありません。 規制範囲でNOxを下げる事など全く考えていませんから。 簡単に言えばどんな運転をしても、NOxを低減できる技術を確立し、環境に貢献するのが目的です。 ですから、車載型で若干精度は低くても、実走行時のデータが取れて、明らかにNOxが低減できているか判断できる事が重要です。 それで選んだのが、HORIBA MEXA-720NOxです。 この機種は、比較的単純な構造で、ジルコニアセンサーを使用し一室で酸素濃度を10ppm程度に下げた後にこの酸素濃度になった二室でNOをN2とO2に分解してこのときの電流値でNOの濃度が測定できます。 (NO2は。一室でNOに分解された後。NOとして測定されます。)
NOxの値とその時のエンジン回転数。NOxの値はppm。
ところが、昨日予備測定中に雨が降り出し、測定を中断、その合間に大気の0点を確認すると45ppm前後で一桁にならないことが判明、新品なのに何かおかしい? 以前デモ機では、5ppm前後を示していました。 昨日はNOx低減技術を最大にしているので、アイドリングでも80ppm程度のはずが、かなり高め。 現在メーカーに測定誤差が大きすぎるので問い合わせしています。 センサーの本体がはじめから褐色なので、変だと思っていましたが、もしかしたら、一旦使用したセンサーではと、疑っています。 それなら再度キャリブレーションしないといけません。 構成ガスは、手元に無いので、まずは回答待ちです。
前回はECUを取り替えていたので、そればかりに気を取られ大気の値がやや大きいのはセンサーが安定していないと思い、NOxの挙動の変化で測定を初めからやり直そうとしてすぐ測定を中断、気が付きませんでした。
ちょっと長くなったので、この続きは次回に。

