昔、猫を飼っていた。
飼ってたというより、共同生活をしていた感じが強い。
……と、ここまで書いたら、手がとまってしまった。
彼は野良猫ではなくて、友人から譲り受けた、小さな仔猫だった。彼との暮らしは楽しくもあり、辛くもあった。
それを書き記しておこうと記憶を紐解いていたら、突然、あの時見えていなかった自分の身勝手さが否応なしに迫ってきて、手が進まなくなってしまったのだ。
人間は身勝手だ。
彼との暮らしは、とても幸せだったけど、彼の方はどうだったのだろうか。
生物として幸せだったんだろうか。
それが何となく咀嚼できた頃に、彼の話を書こうと思う。