『マグネット』


山田詠美 著

幻冬舎(文庫)




川上弘美の解説通り、「名人たち」の短編集。

そして山田詠美作品の漂うこの爽快感。

爽快感なんて言葉じゃ説明できないけど、ほんとにこの読後感があるからやめらんない!





「どうして、ぼくを誘ったんです?」

 突然、女が男を誘った場合、男の十人に七人は、同じ台詞を言う。

八人目は、こう言う。こうなることは解っていたんだ。予言者か。

九人目は、こう言う。シャワー先に使って良いかな。風呂好きか。

十人目は、不言実行の無我夢中状態。言葉よりも先に、キスの音色が口をつく。すごい吸引力。掃除機内蔵か。


「YO-YO」って作品のこの場面は、いや~笑った。

なんも考えないで笑った。

突然電車でニヤついて変人かと思われたかもな、あたし(笑)




特に好きなのは「マグネット」、「アイロン」、「最後の資料」かな。


「マグネット」は俊介がなんか超すき、ふたりの関係性もすき。

「アイロン」はたたみかける感じでスピードがあってすき。

「最後の資料」は、おとうとについて書いたもの。山田詠美ってこういうのも書けるんだ、って思ったと同時に、山田詠美ワールドも全っ開で、さすがだなぁ~って思った。

あとがきに書いてある、おとうとの娘の一言も心に残る。

うじゃうじゃって。

おいおい、うじゃうじゃって。

子どもってすげーな。