手術が終わり
脳神経外科先生の説明をうける
戸田恵梨香似の先生が説明を始める
家内の頭の中の動画を見せつつ
破裂した動脈瘤におこなった処置を説明してくれる
女医さんは努めてニコニコ話している…
もしくは天才肌で、良い手術ができて嬉しかったのかもしれない
「やりたい処置はできました」
とのことで
手術がうまくいったのは非常に理解できた…
「再破裂の危機は去りました」
「家内さんの脳は手術とくも膜下出血が要因で腫れます」
「それはもうパンパンに腫れます」
「脳が腫れに耐えられずに、脳がダメージをうけることがあります。」
「それが原因で命を落とすことがあります」
「我々は使える薬は全て使います」
「それでも間に合わないくらい腫れると思います。」
「1週間がピークだと思います。」
「良くなる人もいます」
僕は涙が止まらなかった
女医さんは甘い見立てはしない…
最悪のケースをずっと話す…
僕は質問した
「家内の状態は、先生の最初の見立てと変わらないですか?」
意識が戻るなんて奇跡って言っていたから…
先生は
「そーですね」
僕
「シリアスはシリアス?」
先生
「シリアスです」
だよなぁ…
僕
「なんかもう後悔することばかりで…」
「PCRの結果は陰性だったでしょ?」
先生
「陰性でした」
僕
「嘘ついときゃ良かったなぁ」
「でも嘘つけなかったなぁ…」
先生
「我々にとってはありがたい事です!!」
僕
「もう少しちゃんと観察できていれは…」
先生
「眼科には行かれたんですもんね?」
「なら仕方がないと思います。」
「やれることは全てやります!!」
「頑張りましょ!!」
そう言ってニコニコ去っていった…
かなり良い手術ができたんだろうな…
手応えがあったんだろうな…
それはよいことだ!!
集中治療室に通される
家内が眠っていた…
救急でみたときは
生き物と物の境目にいたが
手術が終わった家内は生きてるって感じだった
待合室で話してくれた看護師さん
「午後に麻酔からさまします」
この時に自発呼吸が戻るか決まる
もしかしたら生命維持の判断を迫られるかも…
「アモカチさんは1度帰って、体制を整えて下さい。」
「寝ていないでしょ?」
保険証のコピーをとってもらい
控え室に戻ろうとする
でも
来た道なのに
どうしても戻れない
何度も色んな人に聞きながらやっと戻る
家内が運ばれた時に着ていた服を受け取る
はさみで切り裂かれて、もう着ることはできない
入った救急救命の入口じゃなくて、正面の玄関から帰る…
アレから半日もたってない
でも
娘の所に行かなければならない…
戸田恵梨香は僕に
「危険があれば電話します」
と言った
これは僕を悩ませる事になる