ノンフィクション⑤ | わにたつまきのお話

わにたつまきのお話

南信州でボソボソと独り言をつぶやくおいちゃんです(・∀・)
釣り、サッカー、ラーメン、薪ストーブ、サブカル少々
まったり更新ですがよろしくお願いしますm(_ _)m


何人かの人に連絡して

実家に預けた娘の所へ…

娘は夜通し泣いていたらしい…

長男が帰ってきていた…

娘はひたすらYouTubeを見ている…

母がいない隙間を埋めているんだろう

YouTubeにも感謝する

長男は冷静でいてくれる

娘の面倒を良くみてくれている

僕も少し寝て、2時にもう一度病院に行かなければならない

でも

まず座ることができない…

思考はずーっとループしてるし

そのループにつられて僕もウロウロしている…

朝になっても変わらない…

食べ物は喉を通らない…

ひたすらコーヒーを飲む…

でも眠らないといけないから、布団に入るも、電話が気になって眠れない…

寝ている間に家内に何かないだろうか?

寝ている間に電話がなって出られなかったら?

なんせ思考がループして寝ても3分位で目覚める感じで…

かなり鬱であったと思われる…

眠れないから、ネット上のくも膜下出血の情報を集める

色んな情報が転がっているもんで…

良い情報も悪い情報もあって

その中でこんな情報があった

くも膜下出血は最初の出血で50%が命を落とす

30%は障害がのこる

20%は元の生活に戻る

これを見て思う

家内はたぶん50%をクリアしてる

残りの50%には生きる可能性しか残っていない

つまり

家内は生きるのだと思った…

それも自発呼吸が戻らなければなんともならないが、この時はこの楽観的な試算に心が救われた…

子供や両親にも一生懸命説明した

午後に自発呼吸が戻れば、なんか良くなるんじゃないかと思い始めていた。

なんか楽観的な話だが…

ここから病院に戻るまでは

僕は狼狽する

娘はゲームかYouTube

長男と両親が僕をなだめる

それの繰り返し

そして病院に戻る

もう集中治療室には入れないから、玄関のホールでICUのスタッフさんを待つ…

僕は心の傷もあり、この病院では自然と涙が出てきたりする

壮絶な顔をしている

そこに名札に若葉マークをつけた、若い女性の看護師さんが、降りてきた

天使のように降りてきたから、天使とでも呼ぶとする。

天使といくつかの前置きの話をしたが、あまり記憶がない

そして天使は言った

「家内さんは麻酔から覚めてます。」

「呼吸が戻りました」

とりあえずヨシ!!

その後衝撃的なことを告げられる…

「意識が戻っています」

……ん?

「家内さんは、倒れる前に貴重品全部入れてあったバックを気にしています」

んんん??

記憶もあるんですね??

「くも膜下出血の患者さんは、直前まで良く覚えています。」


「良かったぁ!!」

ボロボロと泣いていると

天使が

「突然の事でビックリしちゃいますね」

とニッコリ

まさか奇跡が僕のこんなに近くにあるなんて…

この時

あの車の中のくも膜下出血から13時間…

そして

12/12

午後同じような時間

玄関のホールで

家内の荷物を持って待っていたら

天使がICUから降りてきた

いくつか業務的な話をした後

天使がこういった

「1番最初の大きな山は越えましたね」

またボロボロ泣いた

奇跡は成ったのだから

因みに

天使は長男と同じ中学校で同い年、長男の知り合いだ

長男の知り合いにメソメソしてる情けない姿をさらしてしまった…

更に

そこを車椅子を押して通りがかった女性は、僕の同級生だった

自分の友人にもメソメソを目撃された…

奇跡の代償だろうか??

まだまだ合併症の危険もある…

油断はできない

でも僕の心の大部分は希望に満ちている

そして難題もある

(良い人になる)問題だ…

友人に性根が腐っていると言われている僕が(良い人)になれるのか?

家内がくも膜下出血を乗り越えるより難しいかもしれない…

もう一つ

家内にお願いがある

病院から持ち帰って欲しいものがある

僕の今後の人生で非常に大事な物だ

本当に1つだけ

あなたの命を家に持って帰ってほしい

それは僕にとってとても美しい宝物なのだから(^_^)