・限りなく定型に近い非定型

実験を繰り返すうちに、やはり非定型で逝くにも相当な覚悟が必要だと分かった。

「運良く苦しまずに逝けたらいいな」
くらいの覚悟では何度挑戦してもダメだった。

一瞬、気を失うまではあっても、すぐに蘇生して気持ち悪い感覚だけが残る。
その苦痛が次に挑戦する気力を削いでしまう。

何が足りないかは分かっている。
思い切りだ。

しかし、思い切って逝けるものなら、とっくに定型で逝っている。
さりとて非定型でジワジワ逝くのも難しい。

ならば。
限りなく定型に近い非定型はどうかと考えた。

踏み台から降りた時、ギリギリつま先立ちの状態になるかどうかという高さだ。

というわけで、今度は30㎝ほどの高さの踏み台を用意した。

縄の位置を以前よりも高くして、踏み台を降りたらちょうどつま先立ちになるくらいに調整する。

そうして実験を繰り返したところ、やはり高さが上がるほど縄の締まりが強くなった。

しかし、あっという間に意識が飛ぶほどでもない。
またしても防衛本能が働き、無意識のうちに本棚に捕まって加重を緩めてしまった。

もう少しだけ高さが必要か?

1㎝ずつ高さを上げて実験を繰り返してみたところ、踏み台から降りられなくなった時点で実験は終了。

この方法も決定的ではなかったようだ。